-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「ピアニスト」
2005年 08月 25日 (木) 02:55 | 編集
 ピアニスト

「ピアニスト」 ★★★☆

LA PIANISTE(2001年フランス・オーストリア)
監督:ミヒャエル・ハネケ
キャスト:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル
公式サイト

妄想の肥大化と一人歩きの結果、現実から乖離してしまった女の孤独。
直視したくない辛辣な描写が心に痛い。

 戦場でも海の上でもない方のピアニスト、当然ピアノレッスンでもない。これは厳格な母親の下で育てられ、中年まで男と肉体的に接してこなかったヒロインエリカの自虐的恋愛の行方を描く作品である。
 エリカは誰かを愛したい、或いは愛されたい、たったそれだけのことが上手くできない。長年閉じ込められていた性的嗜好が剥き出しにされていく描写は、人間の歪んだ欲望をあたかも嘲笑っているかのようだ。自傷によってしか自分の生身や、自分が生きているという現実を確かめることができないそんなあまりに哀しい女の性(さが)は、ハネケが突き付けた人間の業そのものである

 観ているそばからあちこち痛くなりそうな自傷描写と、エリカの欲望がもたらす終りのない自虐的シーンの続出には呆れて目を覆いたくなる。普通の恋愛経験を経て来なかったことと異常な性癖との関連性は極めて個人差のある話だと思うが、このヒロインの孤独はあまりに深くて想像以上に根深い。傷をえぐられ悲鳴を聞かされているような映画だ。

 そういう限界ギリギリな部分を描いたものとしてはおそらく高レベルなので嫌悪感を感じる人が多いだろう。それは多分に人間の性欲という抗う事の出来ない本能がこの映画の根底に描かれていることと、監督の冷徹な客観視を観客が感じてしまうことに拠るのではないだろうか。本質的な性的欲望を満たすことと恋愛感情とを一致させられる人間は実は幸福なのかもしれない。

 見所はヒロインを演じたイザベル・ユペールの芝居の迫力に尽きる。鬼気迫る異様なオバサンを演じきった彼女の力量にはただただ拍手するしかない。
 刺し違えることさえ叶わず自傷するラストシーンは、あまりにも沈痛で哀しい。観ていて気分の良い映画ではないが、これ程あちこち突き刺さってくる刃物のような映画はなかなかあるものではない、同監督の「ファニーゲーム」と並んで必見の個性派作品である。
2001年カンヌ映画祭グランプリ、最優秀主演女優賞、最優秀主演男優賞受賞作品。

テーマは違うが田口ランディの「アンテナ」の自傷を思い出してしまった。精神状態が不安定な人は両方とも観ない方がいいだろう。
・・・やっぱり性衝動は健康的に噴出させないとだよなぁ。一回くらい普通にヤろうよ、普通でいいじゃん(;´Д`)


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