■ Title Index : all ア カ サ タ ナ ハ マ ヤ ラ ワ A-Z・数字 監督別 |
■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2005年
08月
24日
(水)
18:23 |
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今日的テーマ性を孕む作品だが焦点がぼけまくり。
アルツハイマーと共に生きることの難しさ、骨髄移植、それに対する周囲の苦悩と、非常に難しい問題を、一人の刑事の妻殺しの謎から迫る作品だ。
確かに叙情的な演出や寺尾聰、樹木希林等の演技で泣かせる感動作品にしたかった意図は解る。だが作品としてはたくさん登場する人物描写や問題提示に欲張り過ぎ、焦点がぼけてしまった仕上がりになっているように感じる。
臓器移植で受け継がれてゆく命や魂の意味等いろいろ言いたい事はわからないでもない。しかし、アルツハイマーで自分自身をを失ってしまうくらいなら死を選択するという梶の妻の切羽詰った思いの描写が若干弱いせいなのか、尊属殺人の理由を観客に納得させるにはどうも脚本が甘い。さらにドナーの話を後半でくっつけて行く展開でも、梶が半落ちせざるを得ない理由としての説得力を持たせるのに十分な描写がなかったように思う。それ故に何か麩に落ちない、主題が伝わってこないと感じてしまうのだ。脚本次第でかなり変わるのではないかと思えてならなかった。
役者は悪くない芝居をしているだけに、脚本の弱さで2時間ドラマのような安っぽさが漂う作品になってしまったのは残念な話だと思う。
エピソードとして警察や裁判所の内輪話は結構面白いのだが脇の話に視点が分散されることによって、反って主となるエピソードが生かせずに全体的には今ひとつまとまりに欠ける印象を受けた。
しかし吉岡秀隆はどうしてもこういう真面目くさった役だと純に見えるなぁ、裁判官にしては滑舌悪過ぎだしw。ま、いずれにしても原作を読みたくなる作品ではある。
で、これは個人的な趣味の話だが、森山直太朗でエンディングというのも、さあ泣け、感動しろ、と最後まで念押しされているみたいでうんざりしてしまった。あざと過ぎ。








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