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■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2006年
12月
27日
(水)
01:18 |
編集

「五条霊戦記//GOJOE」 ★★
(2000年日本)
監督:石井聰亙
脚本:石井聰亙、中島吾郎
キャスト:隆大介、浅野忠信、永瀬正敏、岸部一徳、國村隼、勅使河原三郎、船木誠勝、粟田麗、鄭義信、成田浬、細山田隆人、内藤武敏、光石研、加瀬亮
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こんなに面白くなりそうな設定なのに何でこんなにつまらないんだ!?
平氏を襲う鬼の登場から五条大橋の決戦まで137分、とにかく冗長の一言の演出。
あらゆる無駄を削ぎ落としてテンポの良い80分物にリメイクして欲しい。
「ユメの銀河」「逆噴射家族」の石井聰亙監督が世界へ放つ新世紀サイバーアクション超大作、のはずだったが、正直なところアイデアの奇抜さ位しか評価できない。
ストーリーは誰もが知っている牛若丸と弁慶の物語を大胆かつ斬新に新解釈したもの。遮那王と呼ばれる牛若丸は次々と平家を襲う鬼と怖れられ、対する弁慶も人々から「鬼」と呼ばれていた悪党上がりの修行僧。不動明王の啓示を受けた弁慶が遮那王討伐に向うという筋書きだ。二人を双方とも鬼に見立て五条大橋の頂上決戦に到るアクション時代劇で、設定とアイデアはとても面白い。
しかも義経に浅野忠信、結構どうでもいい脇役には永瀬という人気俳優を持ってきて、ちょっと弁慶にしては線が細いが隆大介もまぁ熱演(幻の湖な人だよなw)、役者はそれなりに豪華な顔ぶれである。問題はそれ等を生かしきれない演出と撮影だ。
まずテンポの悪さが致命的である。
1カット毎に無駄なシーンが多くて長い、役者のアップや美しい風景をいちいち挟んでタメを作るのもいいが、明らかにタメ過ぎw
それから見所になるはずのアクション部分だが、自分はこれが最悪だったと思う。遮那王が多勢を相手に戦うシーンの殺陣は、「サイバーアクションという触れ込み」イコール「はっきり見辛いチャンバラ」という意味なのか?とさえ思う全然よく解らない状態。カメラアングルも悪ければ、カメラワークも良くない、よって視点を定めることすらできないのだ、
というか 誰が何斬ってるんだよ!? ・・・駄目過ぎる。
そしてクライマックスの五条大橋の決戦だけはカットカットカットの連続、繋いで編集しまくってそれまでのトーンから一変。しかし牛若丸だからワイヤーアクションでもやってヴァリエーション豊かに見せてくれるのかと思いきやこれまた見せ場が少しも見せ場らしくない。雷と日食以外は特筆するCGも認められない有り様だ。
で、アクション中心なだけに多くを望むのは酷なのかもしれないが人間ドラマの部分も滅法弱い。弁慶の苦悩や改心については殆んど触れられないし、牛若丸もひたすらクールで源氏再興の為に命を賭けるというよりはむしろ自分の剣術を極めたいのかとw。要は映画が長い割にキャラの掘下げは全く不足しているのだ。
またどう考えても取って付けた様な無駄なエピソードも気になるところだ。
あとどうしても気になるポイントが役者の声が聞えないこと。特に阿闍梨役の勅使河原三郎は何を言っているのかほぼ壊滅的に解らない。邦画は字幕がないだけに役者の声の聞き取り辛さを感じることも多いわけだが、こんな基本的な所も映画の盛り上がりを大いに阻害するということだろう。
石井聰亙監督の作風は嫌いじゃないだけに、全体的に見るとやっぱり惜しい、残念な作品という印象。
因みに勅使河原三郎て舞踊家なんですねぇ。
◆参考資料(Wikipedia)
・武蔵坊弁慶
・源義経








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