-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「アリス」
2006年 12月 04日 (月) 23:32 | 編集
ヤン・シュヴァンクマイエル アリス ヤン・シュヴァンクマイエル アリス

「アリス」 ★★★★

ALICE、Neco z Alenky (1989年スイス)
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル Jan Svankmajer
原作:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス
脚本:ヤン・シュヴァンクマイエル
キャスト:クリスティーナ・コホトヴァ
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ヤン・シュヴァンクマイエル版「不思議の国のアリス」。
怖いグロいエグい、そして途方も無く魅力的だ。

 実写とアニメを組み合わせ、シュヴァンクマイエルらしいグロテスクなアリスの世界を再構築した作品。
 夢を見ている時に、これは夢だと解っていながら現実に覚醒できない、そんな感覚を覚えたことはないだろうか?そう、これは悪夢なのだ。悪夢にファンタジーを絡めれば「ロスト・チルドレン」になるが、此方は生身の肉体と人形の身体とが錯綜し合う何ともシニカルでシュールな世界。扉の向こう側に進む為には秘密を手に入れなければならない。鍵穴から覗く向こう側、机の引き出し、総て未知なるものへのドアだ。そしてそれは根源的な人間のリビドーと関わりながら、我々の意識下に強迫的に畳み掛けてくる。

 オープニングの子供部屋の風景に、その後登場する殆んどの要素が隠されていることが解るだろう。ありふれた子供部屋の日常も夢の中で様々な形に歪に変貌する。芋虫のように動き回る靴下や骨でできた不気味な生き物、登場するアリス以外は総て人形だがカエルやウサギも可愛いどころか悉くグロテスク。時にはアリスまで人形に変身させられてしまう。
 また、手当たり次第得体の知れないものを飲み込んでは舐めてみるアリスが印象的である。口元への異様な拘りを持って繰り返し映し出される映像は、フロイトの口唇期的な快楽を彷彿とさせるものだ。見方を変えればこれは徹底的に子供世界の生々しくて薄汚れたリアリズムを追求した作品なのではないか。

 勿論ルイス・キャロルの元ネタありきの作品だし、シュヴァンクマイエルにしては長編作品なので中盤は若干テンポを欠く。
しかし「アリス」の映画化作品として、これほどの傑作は後にも先にも輩出されるかどうか。元々ナンセンスな夢の世界を毒の欠片もない楽しいだけのアニメにしたディズニーに比べて、この不機嫌で薄気味の悪い世界はどうだろう?
 とことん無表情なまま夢の世界を走り抜けるアリス、子供の頃に見た夢は意味もなく酷く怖かったことを思い出す。もしかしたらこれこそ正統派「アリス」なのかもしれないw。


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■ルイス・キャロルの原作
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