-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「モーターサイクル・ダイアリーズ」
2005年 08月 24日 (水) 17:05 | 編集
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版

「モーターサイクル・ダイアリーズ」 ★★★★☆

監督:ウォルター・サレス
原作:エルネスト・チェ・ゲバラ 、アルベルト・グラナード
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
公式サイト

チェ・ゲバラ
キューバ革命指導者の一人として知られる彼は、亡き今も南米では「チェ」と呼ばれ愛されるカリスマである。この映画のモチーフとなった南米大陸縦断旅行は、ゲバラが革命家としての思想を抱く一つの契機となったと言われるものだ。正直既に偶像化され本作でも純粋で誠実な人物として描かれたゲバラ像を抵抗なく受け止められるのか不安を抱きつつ鑑賞した作品だが、ゲバラという人間像を知らなくても共感できる守備範囲の広い青春ドラマに仕上げられていると思う。

作品では旅の途中で出会う社会の様々な矛盾に対して、ゲバラが革命への信念を抱いていく過程が非常に解り易く描写されている。マチュピチュを始めとした南米大陸の映像も非常に見応えがあり、ロードムービーとしての魅力も十分に備わった作品だ。

脚本的にゲバラを好意的に描き過ぎという評価はあるかもしれない。だが彼に対する知識無しにこの映画を観たとしても、その率直で純粋な生き方には共感できるのではないだろうか。川のシーンがフィクションであろうとなかろうと、それはゲバラの資質を如実に物語る格好のエピソードであり、まさにこの映画のクライマックスだ。ハンセン病患者を隔てる川、それは近い未来にゲバラが闘う事になる社会差別のメタファーとしても深く我々の心に刻まれる。
過剰な演出を一切省いた極めて抑制された見せ方、後の革命家としてのゲバラ写真を一枚も使っていない点など、反って一人の若者の生き方を考えさせられるという意味で価値があると思う。ここにいるのは未だゲバラではなく、一人の青年エルネストなのだ。革命家ゲバラの色を敢えて薄めた演出であることがこの作品には非常に意味があったと思うし、ウォルター・サレス監督の手腕が見事に発揮されていると感じる。

そして、何故チェ・ゲバラが死して尚支持されるのか、という問いの答えの一つを、鑑賞者はこの作品の中に垣間見ることができるだろう。思うに、彼の拠所とした思想(マルクス主義)自体が既に過去の遺物と化している事実を持ってしても、その人間性の澱みなさ、潔さ、未来に向かう姿勢、そして社会的弱者への愛、それらが決して否定される事のない普遍的な魅力を持っているからではないだろうか。
そして、ラストシーンの余韻の素晴しさ。煌めきに満ちた旅の終わりに友を見送る若き日のアルベルトの横顔から現在の彼の表情にカメラがパンする瞬間、我々は改めて感じる事になるだろう。後に革命家として壮絶な人生を歩むエルネストの生きた確かな証がアルベルトの人生にもまた輝いていることを。

自らが為すべき事に気づいて行く瞬間、
そして、誰の胸にも永遠に輝き続ける青春の日々と友情、
スクリーンに刻み込まれた瑞々しい普遍性に我々は心打たれずにはいられない。


個人的には絶賛したい作品だが、チェ・ゲバラの予備知識の有無次第で感想が違ってくることもあろうかと思う。なぜならば後のゲバラの生き方を知らないではこの若きゲバラの青春の旅の意味を理解するには不十分だろうから。できるなら関連の書籍等一読し彼の生涯についての最低限の知識を持って鑑賞されることをお勧めしたい。
何の予備知識がなくても青春ロードムービーとして十分楽しめるとは思うが、おそらく鑑賞後にはゲバラという人物に対する興味・関心が湧く映画だと思う。

ゲバラの本やらサイトやら本家ブログで色々紹介してきたけど、やっぱり映画だよ!映画!
自分にとっては今もこれからもおそらく最高の映画です、ロードムービーは素晴しい。
(因みに管理人ゲバラT3枚持ってます 爆死。
【2004.12.03】



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