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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「DEATH NOTE デスノート the Last name」
2006年 11月 20日 (月) 17:13 | 編集
SOUND of DEATH NOTE the Last name SOUND of DEATH NOTE the Last name

「DEATH NOTE デスノート the Last name」 ★★★☆

(2006年日本)
監督:金子修介
原作:大場つぐみ、(作画 小畑健)
脚本:大石哲也
主題歌:レッド・ホット・チリ・ペッパーズ 『ダニー・カルフォルニア』
エンディング曲:レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Snow(Hey Oh)』
キャスト:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香、片瀬那奈、マギー、上原さくら、青山草太、中村育二、奥田達士、清水伸、小松みゆき、前田愛、板尾創路、満島ひかり、五大路子、津川雅彦、藤村俊二、鹿賀丈史
声の出演:中村獅童、池畑慎之介
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原作の大幅改変が映画としては成功。
良識と倫理観による線引きで、大人vs子供の攻防を焙り出して見せる。

ネタバレ有り
原作のある作品の映画化として、観る者がそれを読んでいる読んでいないに関らず満足感を与えるということは非常に難しいことだろう。特に原作を知る人間はかなりの思い入れ(思い込みとも言うw)を持って作品を観る。しかもこの作品のようにビジュアルイメージが完全に出来上がっている場合は更に比較の要素が増えざるを得ないし、また長編であればあるほど、ストーリーをいかに抽出し或いは切捨てるのか、その取捨選択の是非が問われることになるからだ。

この点では「DEATH NOTE デスノート the Last name」は非常に健闘していると思う。
「デスノート前編」からの予想通り、やはりLとライトとの攻防まででストーリーは完結しているが、まずその選択が映画をコンパクトで解り易いものにしている。後半が相当ダレて締まりなく完結した原作に比べてもこれは賢い方法だったのではないか。

勿論原作のニア&メロ編というかなりの部分を端折ってラストに強引に走る展開は賛否あるだろう。だが、映画は大人vs子供の攻防を描いて、「命の重さを問う」という現代的なテーマに挑むのである。
自らの能力とデスノートの力を妄信した幼稚な殺人者月(ライト)とあたかも神のように月を信奉する弥海砂、この二人のゲームの相手が感情を殆んど表に出さないLという存在であった。しかし後編は単なるLvs月という構図に留まらず、暴走する幼児性とゲーム的世界観を右辺に置き、対して左辺には、社会正義の担い手であり最後までぶれることのない「善」の象徴として描かれた父親夜神総一郎を対峙させるのである。云わば父親が社会的に成熟した大人の象徴的存在となって、守るべき倫理観の砦になっているわけだ。
昨今の社会における命の軽視に焦点を当て、大人が子供に為すべきことは何か、或いは社会が育むべき善悪の価値観というテーマを包括しているという点で、非常にオリジナル性があると言えよう。この大幅な原作の改変によって、子供を信じながらもその誤りを正す、親であり大人である者の視点というものを強く感じさせられる作品に仕上がったことは確かだ。

但し、それ故に月の人間像が単なる快楽殺人者にしか見えなくなってしまった部分は否めない。
またリュークが月を殺す必然性が原作以上に安直になった流れには目を瞑るとして、この作品の方向性を理解した上でもいかにも既視感のある勧善懲悪的説教臭いラストは若干落胆。そして相変わらず少女漫画みたいな安っぽい演出をする個性も支持できるものではない。確かに映画は原作を知る者をいい意味で裏切ってくれたが、前作同様全体に漂うチープ感は払拭し切れなかった印象。

とにかく原作では月に殺されてしまうLを最重要人物に置いて、ここまで魅力的で共感できるキャラクターに描いた点がこの作品のキーポイントだろう。月との決着をつける為に自らの命を賭けた「L」、彼こそ後編の主人公である。最期を前にして夜神総一郎に父の面影を見るかのように別れを告げたLには不覚にも感動させられてしまう。まさかLに泣かされるとは誰も予想できなかった展開だ、これに関しては全く金子監督やってくれたなと思う。松山ケンイチは完璧役得だったがそれ以上に彼の存在感となりきりっぷりは映画の大きな見所になっている。
しかし死んだフリがばれなくてよかったな、漫画の月ならあそこまでバカじゃないしw

尚、ヒンシュクを買う覚悟で言わせて貰えば、藤原竜也の一人だけいつも舞台の上状態な過剰演技にクライマックスで吹いたのは俺です、ハイゴメンナサイ。

デスノ製作秘話等興味のある方は、監督のブログ「金子修介の雑記、"Essay"」をどうぞ。

尚今作の主題歌も前編に引き続きRed hot chili peppers のアルバム「Stadium Arcadium」からのカットである。
エンディングテーマ曲“Snow(Hey Oh)”を聴きたい方は此方からどうぞ(GoEar.com)。個人的にはダニ-カリフォルニアよりかなり好きな曲。



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■主題歌「ダニー・カリフォルニア」「Snow(Hey oh)」収録アルバム
ステイディアム・アーケイディアム ステイディアム・アーケイディアム
   ⇒ ダニー・カリフォルニアのPVを観る
   ⇒ 前編の主題歌"ダニー・カリフォルニア"を聴く

■“Snow”シングルカット
Snow Snow

■コミック「デスノート」(1)
DEATH NOTE (1) DEATH NOTE (1)

■「デスノート前編」サウンドトラック
映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE 映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE
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