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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ヴィデオドローム」
2006年 07月 24日 (月) 20:37 | 編集
ビデオドローム (初回限定生産) ビデオドローム (初回限定生産)

「ヴィデオドローム」 ★★★☆

VIDEODROME(1982年カナダ)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
原作:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
音楽:ハワード・ショア
キャスト:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー、ソーニャ・スミッツ、レイ・カールソン、ピーター・ドゥヴォルスキー
   ⇒ ビデオ・ドローム@映画生活

ヴィデオというメディアに仕組まれた幻覚の罠。画期的な着想の先進性に驚かされる。

ストーリーは、ローカルTV局の社長マックスが違法なスナッフフィルムを流し続ける「ヴィデオドローム」の謎の核心に迫っていくホラーサスペンス。
現実と幻想が錯綜する世界で、物質と肉体が奇妙でグロテスクな融合を遂げる。腹にぱっくりと開いた傷口に挿入されるビデオ、銃と一体化していく手、暴力的でエロチックな映像の数々に彩られたまさにクローネンバーグらしい世界が展開されるが、一方で見逃してはならないこの作品の重要な側面はメディア・リテラシーという要素である。
視覚的認識というものの脆弱さを端的に示唆し、仮想現実世界に耽溺しがちな人間達を描くことによって、メディアの世界に支配されいつしか自己を埋没させていく危うさを焙り出している、そんな観点で観てもこの作品のユニークさは評価されて然るべきだろうと思う。

そして、やはりこの作品の着想には驚かされる。
鈴木光司は「リング」(1991)を書く前にこれを観ていただろうかw。あっちはウィルスでこっちは腫瘍だが、ビデオテープの映像が直接的に人間に作用を及ぼすという意味では同じ。
だが本作は1982年の作品であり、ヴァーチャルな世界の持つリスクや危険性を示唆したという点ではクローネンバーグには非常に先見性があると言えよう。
またスナッフフィルム物をモチーフにしている点も興味深い。「テシス 次に私が殺される」や「8mm」なども同じモチーフを扱っているが、これもまたヴィデオの登場で変容を遂げたメディア社会の一端を示すのだ。

それにも増して、ヴィデオテープという無機質の物体が、デッキ代わりの腹の中に収められる映像のインパクトは強烈、そして何とも意味深だ。「イグジステンズ」で脊髄にぶち込んだアレもそうだったが、クローネンバーグのグロは何処かSEXに繋がるような官能をその中に秘めていると思う。悪い夢を見ているかのような「ヴィデオ人間」、あの映像だけでこの映画はもう絶対忘れる事ができないだろうなw

■参考資料(Wikipediaより)
     ・ メディア・リテラシー 
     ・ スナッフフィルム


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アメナーバル・コレクターズBOX アメナーバル・コレクターズBOX、「テシス/次に私が殺される」収録

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