-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「嫌われ松子の一生」
2006年 07月 08日 (土) 02:07 | 編集
嫌われ松子の歌たち 嫌われ松子の歌たち

「嫌われ松子の一生」 ★★★★

MEMORIES OF MATSUKO (2006年日本)
監督:中島哲也
原作:山田宗樹「嫌われ松子の一生 (上)」「嫌われ松子の一生 (下)
脚本:中島哲也
テーマソング:BONNIE PINK『LOVE IS BUBBLE
キャスト:中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、市川実日子、黒沢あすか、柄本明、木村カエラ、蒼井そら、柴咲コウ、片平なぎさ、本田博太郎、ゴリ、榊英雄、マギー、竹山隆範、谷原章介、甲本雅裕、キムラ緑子、角野卓造、宮藤官九郎、谷中敦、劇団ひとり、BONNIE PINK、濱田マリ、武田真治、木野花、荒川良々、渡辺哲、山本浩司、AI 、土屋アンナ、山田花子、あき竹城、嶋田久作、奥ノ矢佳奈
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ 嫌われ松子の一生@映画生活

極彩色に彩られたこれ以上ない不幸、それが回帰する彼岸は、「おかえり」と迎えてくれる愛だった。
全篇に作為的に散りばめられた過剰な色彩と演出の一方で、一人の女の壮絶な人生から生きることの意味をそっと語りかける作品。

よく出来た映画だ。
不器用で純粋過ぎる女の転落人生は、そのまま描けば男に入れ込んでは振られるただの悲惨なストーリーだが、少しも後味が悪くない。
映像は独特のどぎつい色彩とポップなセンスのCGで散りばめられ、悲惨なエピソードをブラックではあるが酷く軽快なミュージカルでさらりとかわす。話のテンポの良さに加え、癖のある役者を要所要所に据えて決して単なるカメオではない存在感を発揮させるのも見事だと思う。
更に脚本の構成も非常に巧妙だ。甥っ子笙(瑛太)が出会う様々な人々の松子に対する回想に松子自身の回想が折り重なって、更に終盤では瑛太の中で造り上げられた松子像がオーバーラップする。重層的な構造で松子の破天荒な一生を紐解いていくスタイルであり、特に松子の回想が実は光GENJIのメンバーに対する膨大なラブレターだったという仕掛けに到っては非常に上手さを感じさせられるものだ。

そして最も素晴らしいのがエンディングである。
家族と上手く解り合えずに家出し、男に振られてソープ嬢になり、終いには殺人で服役、過食で太り過ぎた挙句に殺される。どうしようもない不幸な人生の中で松子が探し求めていたのはたった一つ、「愛」だったのである。ラストシーンはそんな松子の原点に回帰し、「川」というモチーフを用いて彼岸への昇華に導く。彼女はようやくここで、ずっと言えなかった「ただいま」を言うのだ、家族の揃った故郷の家で、自分がカットした髪型の妹に迎えられて。
ほんの少しだけ掛け違えてしまった人生の可笑しくも哀しいこの有り様に、観る者は不覚にも感動させられてしまうのだ。若干ティストの違うリアリズムに支配されていた松子の人生の幕切れが、このラストシーンで見事に収斂されている。とても救われるエンディングだったと思う。

また、競演のキャストの豪華さも本作の話題の一つだったが、まずこれだけの数の役者をそのシーンと共に一人一人しっかり思い出せるように作ってあるのは実に心憎い。
半ば「聖女」や「菩薩」のように与え続ける不器用な女を演じた主演の中谷美紀は、こんな役でもちゃんと綺麗だし逆にこういう役の方が彼女の個性が引き立つように思う、「ケイゾク」も然りでw。中でも「六月の蛇」で強烈な存在感を残した黒沢あすかと、父親役の柄本明は秀逸である。

勿論総てに念押し気味で説明過剰な演出やPVチックな映像、極彩色の色遣いは好みの別れるところかもしれないが、「下妻物語」の漫画的な世界観を一層ヒートアップさせ、徹頭徹尾中島哲也流の凝縮とデフォルメによるファンタジーで押し通したことが本作の成功のカギだと思う。映画ならではのクリエイティブな魅力に溢れた作品でありながら、軸のしっかりした「人生ドラマ」として完結している。面白かったです。

ま、映画館を出て最初に思い出したのは黒谷あすかの唇(あのAVが観たいと思ったのは俺だけですか)と谷原章介の歯だったりしたんだけどね、何を観ていたんだ、という突っ込みはナシでw

テーマソングは本人も映画に出演しているBONNIE PINKの"LOVE IS BUBBLE"、最近化粧品のCMなんかでも話題だがこのシングルもかなり良い。


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■原作本
嫌われ松子の一生 (上) 嫌われ松子の一生 (上)

嫌われ松子の一生 (下) 嫌われ松子の一生 (下)

■テーマソング
LOVE IS BUBBLE LOVE IS BUBBLE
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