-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「モナリザ・スマイル」
2006年 07月 05日 (水) 23:27 | 編集
モナリザ・スマイル モナリザ・スマイル

「モナリザ・スマイル」 ★★

MONA LISA SMILE (2003年アメリカ)
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ローレンス・コナー、マーク・ローゼンタール
キャスト:ジュリア・ロバーツ、 キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、 マギー・ギレンホール、ジニファー・グッドウィン、ドミニク・ウェスト、ジュリエット・スティーヴンソン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジョン・スラッテリー、マリアン・セルデス
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ モナリザ・スマイル@映画生活

個々のエピソードが上手くテーマに関連づけられないまま消化不良を起こした失敗作。
これは一貫性を感じられない脚本の問題だろう、散漫で完成度は低い。

ストーリーは1953年の保守的な名門女子大に赴任したリベラルな女教師と周囲との軋轢を描いた学園物。
思うにこの映画は極端なフェミニズム思想を打ち出して批判の矛先を向けられるのを恐れているかのような曖昧さがある。女教師ジュリア・ロバーツのリベラリストとしてのキャラクターの弱さといい、結婚と進学の狭間で苦悩し葛藤する表情が少しも窺えない生徒たちの描写といい、支柱となるはずの信念というものを作品には全く感じることができない。例え思想的には偏ったものになったとしても、「女性の自立と解放」というテーマをもっと明確に強調してエピソードを繋げた方が映画としての収まりはずっと良かったのではないだろうか?

致命的な欠陥は、各キャラの恋愛話にはやたら時間を割いているのにも関らず、美術鑑賞を通して人生や生きる意味を考え学ぶ、という最も重要なエピソードを全く生かしきれていないことであろう。
「モナリザは笑っている、だけど、彼女は幸せだから笑っているの?」
ポロックの前衛芸術に胸打たれる感動、塗り絵ではない其々のひまわりを描いた心、それは表面的なものに隠された真実に目を向けようとする思いに他ならない。何故これ等の感動的で素晴らしいモチーフを映画のテーマに生かせなかったのか、これは本当に残念としか言い様がない。
新旧の価値観の対峙を描写するだけに留まらず、様々な美術作品に触れる事で物事の真実を知り学んで行く過程や、或いは学生と主婦兼業のキルスティン・ダンスト始めとした主要な生徒と教師との精神的な触れ合い、そんな側面を深く描き込めば、あのエンディングでやけに唐突にやってくる和解だって決して違和感はなかったに違いない。

そしてとにかくエピソードの散漫さが目立つ。
思想的な背景がある以上こういう作品は二極対立で描くことも時に必要になってくると思うのだが、それが全然上手くできていない。
旧体制を維持しようとする教師達や卒業生、結婚という結論を望む男、という保守派の描写に対して、本来はリベラルな女教師によって新風が吹き込まれていく保守vs革新の構図が求められるところだろう。だが大学進学を諦めて結婚を選んだ生徒の心情描写は薄っぺらだし、最初からある程度リベラルな生徒ジゼルなどは別に何ら変化した所は感じられない。最低なのは保守派の主婦学生ダンストの精神的自立も、女教師の影響というよりは「離婚」という個人的な試練によってもたらされたのではないかとさえ思えてしまうところだ。
これは自身の恋愛にかまけてばかりの女教師のキャラクターが、リベラリスト然とした魅力を湛えていないことにも起因する。彼女は台詞で言われる程押しつけがましくも独善的でもないが、我々は彼女の言動から確固たる思想的信念を汲み取ることもまたできないのである。これは明らかに演出的なミスではないだろうか。

新任教師が学校に何らかの改革の風をもたらす、という作品は少なくない。有名なものでは「いまを生きる」、最近の作品では「コーラス」や「スクール・オブ・ロック」だってそうだろう。
予定調和ではあるもののこれ等の軸のしっかりした作品に比較すると本作は総てにおいて浅くて粗雑、傑作になり得る要素が盛り込まれているだけに非常に勿体ない作品だと思う。

尚、ヒロインが感動していたポロックについては映画化されているので、興味のある方はそちらもどうぞw(「ポロック 二人だけのアトリエ」)

■参考資料
     ・ フェミニズム(Wikipediaより)
     ・ 本国では評価が高いのかと思って調べたらこんな結果 →アメリカ本国での評判
        (by Metacritic.com


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