■ Title Index : all ア カ サ タ ナ ハ マ ヤ ラ ワ A-Z・数字 監督別 |
■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2006年
06月
21日
(水)
00:43 |
編集

「DEATH NOTE デスノート 前編」 ★★★
DEATH NOTE(2006年日本)
監督:金子修介
原作:大場つぐみ、(作画 小畑健)
脚本:大石哲也
キャスト:藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹、戸田恵梨香、青山草太、中村育二、奥田達士、清水伸、小松みゆき、中原丈雄、顔田顔彦、皆川猿時、満島ひかり、五大路子、津川雅彦、藤村俊二、鹿賀丈史
⇒ 公式サイト
⇒ DEATH NOTE デスノート@映画生活
⇒ 前編の主題歌"ダニー・カリフォルニア"を聴く
⇒ ダニー・カリフォルニアのPVを観る
良くも悪くも映画としての解り易さを追求して健闘している。
「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」」
言わずと知れた少年ジャンプ連載の人気コミックの映画化、「あずみ2」の金子修介が監督したサスペンスである。で、管理人はデスノ大好きなのでそんな奴が観た感想。
正直に言わせて貰えば「DEATH NOTE」の持つミステリアスかつ理詰めでクールな世界観にはもう一歩という印象だ。まず展開が平坦過ぎで抑揚に欠ける為、2時間の上映時間の間で緊迫感を感じる事が殆んどない。そしてデスノートの力の強大さ・畏怖の描写、またそれを手中にしたが為に尊大かつ非情な人間性を覚醒させる月(ライト)というキャラクター構築は若干弱い。最も残念だったのは原作全体を覆うあのダークで張り詰めた雰囲気や論理的で繊細、そして壮絶な迄の心理描写が欠落していた点であろう。これ等は未だ前編であるが故なのかもしれないが、それでもデスノートの登場或いは死神との対面にさえ驚きというものを全く感じさせない平板な演出は退屈であり、作品全体が持つTVドラマの延長的チープさはどうにも否めないのである。
但し一方で、漫画を読んでいなくても観られるという非常に解り易い作品に仕上がっていることも確かだ。この「DEATH NOTE」の原作は漫画にしては説明や独白が圧倒的に多い作品であるが、それを難解ではなくシンプルに見せ、原作をきちんと映画としてアレンジしているシナリオは好感が持てる。2時間で何を見せるかという制約の中で、オリジナル性も加味しつつ何とか健闘しているといったところだろう。勿論それが皮肉にも映画自体の切り口を酷く鈍化させ曖昧なものにしてしまったことも事実なのだが。
キャストについては原作のイメージに比較してしまうと意見が別れるところだろうが、役者に安定感はある。特に孤高の天才「月(ライト)」役の主演藤原竜也は、舞台が多いせいか過剰気味な演技が気になるものの下手な役者ではないし、デスノートに魅入られて行く後編で彼の表情がどう変化していくか、それも一つの見所になると思う。(ま、字は下手糞で親近感が沸くよw) 中でも松山ケンイチの「L」が意外な程はまっていたのは大きな収穫だろう。よって全体として同じく漫画原作の「NANA」程キャストに関するマイナスポイントが無かったのではないか、ま、瀬戸朝香だけは正直完全ミスキャストに思えたがw。注目の死神リュークは結局CG。考えてみれば被り物とか(爆)特殊メイクじゃあの動きや造形は無理だろうしあれはあれで有りだろう。
前編だけなので映画全体の評価をするにはまだ早い。今秋公開予定の後編で、いかに月とLとの心理戦、頭脳的駆引きの魅力を引き出せるか、本来原作が持っている神秘的で危うい世界観にどこまで肉迫する事ができるか、そしてこの映画のテーマをどういう点に絞り込むのか、それが映画全体の完成度と評価のポイントになっていくのではないかと思う。
しかしコミックのプロットと比較すると前編があまり進んでいないので、この分だと後編でも月とLとの対決位までしか描けないんじゃないかなぁ。
・・・とりあえず後編に期待、ということで点甘め。
デスノ製作秘話等興味のある方は、監督のブログ「金子修介の雑記、"Essay"」をどうぞ。
尚、主題歌「ダニー・カリフォルニア」は何とレッチリRed hot chili peppers のアルバム「Stadium Arcadium」からのカットである。メロディアスでファンク、サビがキャッチーでなかなかいい感じの曲なので要注目だ。








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■主題歌「ダニー・カリフォルニア」収録アルバム

→ ダニー・カリフォルニアのPVを観る
■コミック「デスノート」(1)

■「デスノート」サウンドトラック

映画「デスノート」オリジナル・サウンドトラック SOUND of DEATH NOTE
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