-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「交渉人 真下正義」
2006年 05月 04日 (木) 02:26 | 編集
交渉人 真下正義 スタンダード・エディション 交渉人 真下正義 スタンダード・エディション

「交渉人 真下正義」 ★★☆

(2005年日本)
監督:本広克行
脚本:十川誠志
キャスト:ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松重豊、甲本雅裕、遠山俊也、柳葉敏郎、水野美紀、西村雅彦、石井正則、金田龍之介、國村隼、八千草薫
   ⇒ 交渉人 真下正義@映画生活

踊る2に比べればまし、でもこれどう見ても中味は完全「劇場版機動警察パトレイバー」なんだがw。

ネタバレ有り
「踊る大捜査線」シリーズ外伝物、即ちスピンオフムービー。
パトレイバーを知ってる人はきっとすぐピンと来るだろうし、ここでパクリを責めてもしょうがないので映画の純粋な感想として。

見所の一つはまず"そこが知りたい地下鉄の秘密"といった感がある様々な専門的用語が飛交う面白さ。緻密に組まれたダイヤ制御の混乱、脇線にフリーゲージととにかく興味深い話が次々と登場して飽きさせない展開になっている。地下鉄の管制システムが乗っ取られてそれが爆弾テロと繋がっていたら、なんて考えただけでも実に嫌な話だ。映画の前半に限ってはとんでもなく秀でた地下鉄サスペンスの登場かと思わず期待してしまった位だ。
そしてもう一つは、オートマティックな制御や合理的な判断が当たり前の世界で、ダイヤを手書きで作成する仕事人が颯爽と登場したり、最終的に大活躍するのは「勘」だったりというバリバリの手動礼賛。この任侠物のようなベタで人間臭いノリは、現場第一の「踊る大捜査線」を見事に踏襲する収束ぶりなのである。

だが、この作品にはどうしようもない脚本の欠点が二つある。
まず一つには真下正義のネゴシエイターとしての能力があまりにも貧相にしか描き込まれていないこと。
地下鉄クモEE4-600には爆弾は積まれていないと断言した彼の「勘」を裏打ちすべき描写がないと、事件解決後安直に「あれは勘です」と言わせてはいけないだろう。
真下がネゴシエイターとして冷静にその能力を発揮して犯人とネッチリした神経戦を闘うというエピソードは、寺島進演ずる木島の所謂長年やってきた刑事の勘で物事を判断していく流れとは対極であるべきものだ。少なくとも観客が納得する為には、実は勘が決め手ではないというネゴシエイターとしての真価が犯人との攻防できっちり描かれていなくてはならない。それが感じられなければただの「ネゴシエイターとしては今一だけど勘だけはいい地味男♪」だぞ、「交渉人」と謳うからには肝心の交渉部分が弱いのは全くもって致命的と言うしかない。終いには確たる意味もなく自分の為すべき事を放り投げてふらふらと地上に出てしまい、「犯人は最後まで行動パターンが読めない相手」と堂々と言ってのける、プロのネゴシエイターとしては激しく疑問を感じざるを得ないのだ。
そしてもう一つは犯人像が曖昧なまま解明されずに終わってしまう事。
地下鉄システム乗っ取りという目くらましまでやって、わざわざコンサートホールに爆弾を仕込むというはっきり言って物凄く回りくどい仕掛けをして真下に勝負を挑んできた犯人が丸っきり謎のまま、しかも自爆状態ではサスペンスの醍醐味が最後の最後で薄れてしまう。あの犯人と真下との接触はもう一捻りあっても良かったと思うし、大体車炎上というエピソードにも必然性を感じられない。本当に幽霊で済ませる気だったのか(爆、もしかしたら続編でも作ろうとしてるんじゃないだろうな、フジTV!

しかしながら、本人の意図に関らずしてその情報というものが一人歩きしがちなマスメディアという問題、そしてその為に起こり得る犯罪を皮肉に描いてみせたという意味では実に今日的な作品であるとも言える。ホームを火花を散らして駆け抜けるクモの映像等もなかなか迫力があったし、ユースケ・サンタマリアのキャラの薄さは青島暴走な本編よりも逆にドラマとしての面白さを醸成する事に貢献していたようにも思う。映画前半だけはかなり面白いし、この緩さは暇な時に軽く観られるという意味ではいいのかもしれない。

まぁこのシリーズを映画でやる意味って、結局踊るのファンの為のほぼ定番化したイベントということと、安全牌的に見込める興収以外に何もないだろう。今の邦画でこれだけ集客できて興収も見込めるなんて凄いことなのだろうから。

勘だけのネゴシエイターなんて俺でもなれる。


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