-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
2006年 04月 28日 (金) 11:57 | 編集
ヒストリー・オブ・バイオレンス ヒストリー・オブ・バイオレンス

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 ★★★★

A HISTORY OF VIOLENCE (2005年アメリカ/カナダ)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:ジョシュ・オルソン
キャスト:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、アシュトン・ホームズ、ハイディ・ヘイズ、ピーター・マクニール、スティーヴン・マクハティ、グレッグ・ブリック
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ ヒストリー・オブ・バイオレンス@映画生活

サブタイトルは愛と暴力の対立。同じ「暴力」の二つの表裏した側面がすぐそこにある日常で牙を剥く。

穏やかで平和な家族が一つの事件から暴力の現実に直面し翻弄されていく。

まず圧倒的なのは鋭利な切れ味で表現された暴力描写だろう。それは良き市民であったトム・ストールがジョーイという人間性を曝け出す一瞬の変貌や、息子が自らの中に眠っていた暴力性に目覚める瞬間を見事なまでに描き出す。途方もなく徹底した残忍性は何の躊躇もなく最大限のレベルにヒートアップされてしまうのだ。

次に感じるのはこの作品の今日的なテーマ性。
許されざる者」で描かれた「目には目を」という暴力への疑問の提示とはまた異なったアプローチであることが非常に興味深い。ここで描かれるのは一つの行為が持つ表裏した二面性なのである。
正義を標榜とした正当防衛であればそれが肯定され、他を蹂躙する為の暴力であれば否定されるのが常だろう。しかしその行為の主体が同じ人間であり、行為自体は「暴力」であることに変わりはないということに気づいてしまった時、このどうしようもなく抗えない矛盾に我々は慄然とさせられる。さらに極めて衝動的で暴力的なものに描かれている階段でのSEXシーンも同様に酷く皮肉な事実を浮かび上がらせる。即ちSEXも裏を返せば男女の愛情表現であると同時に雄と雌の本能的な性欲の噴出としての行為であるという表裏した現実があるからだ。

おそらくこの作品を観て舌足らずに感じる人もいるのだろう。何故ならトムがその過去を捨て新しい人生を歩むに到ったのか彼の心の軌跡を我々は知る事ができないし、また暴力に目覚めたかに見える息子とこの家族が一体この後どうなってしまうのか、そんな未来への暗示も曖昧なままであるから。
だが、我々がこの映画で目撃すべきはそんなことではない、ここには確かにどんなに愛し合った事実をも覆してしまう野蛮で無秩序な暴力の絶対性が比類なきまでに描かれているのだ。
自らの平穏で幸福な人生を暴力によって守ったトム・ストールだが、果たして彼が最後に選んだ行動は肯定されるべき暴力なのであろうか?否、どんな暴力も人を傷つける暴力であることに何ら変わりはない。
この上なくいたたまれない家族の食卓で迎えるエンディングは、現代社会に生きる人間が抱える偽善や欺瞞を見事に収束して映し出すのである。

所々に散りばめられたグロ描写はやはりクローネンバーグらしいw。飛び散る血、潰れる肉、そして呆気ない絶命。日常の風景にあまりにもそぐわないその生々しさが暴力というものの真実に肉薄する。弛んだ表情を瞬時に殺戮者の顔に変貌させるヴィゴ・モーテンセンの緩急もなかなか良かったが、エド・ハリスのさすがの存在感とほぼネタとしか思えないウィリアム・ハートの出演などもあり、短い作品ながら濃厚な出来だ。
あ~、面白かった♪(なんて言っていいのかw


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■このブログ内のクローネンバーグ作品感想LINK
  デヴィッド・クローネンバーグ
  デッドゾーン ★★★★
  スキャナーズ ★★★☆
  イグジステンズ ★★★
  裸のランチ ★★★
  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする ★★★

■クローネンバーグ作品DVD
デッドゾーン デラックス版 デッドゾーン デラックス版

スキャナーズ DVD-BOX デジタルニューマスター版 スキャナーズ DVD-BOX デジタルニューマスター版

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