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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ラン・ローラ・ラン」
2006年 04月 25日 (火) 00:04 | 編集
ラン・ローラ・ラン ラン・ローラ・ラン

「ラン・ローラ・ラン」 ★★★★

LOLA RENNT、RUN LOLA RUN (1998年ドイツ)
監督:トム・ティクヴァ
脚本:トム・ティクヴァ
キャスト:フランカ・ポテンテ、モーリッツ・ブライブトロイ、ハイノ・フェルヒ、ヨアヒム・クロール
   ⇒ ラン・ローラ・ラン@映画生活

ジャーマンテクノに身を委ねて、人生やり直してみる?w
運命の可能性を抜群の疾走感でブッちぎって見せてくれる体感系作品。

至って単純なストーリーがテクニカルな映像とスピード感溢れる展開で描かれ、80分があっという間だ。
主人公達の攻防は、アニメーションや画面分割、コマ落とし、早送りなどのトリッキーな映像で語られる。映像と音楽が映画をリードし、我々の五感を刺激してくれるのだ。

そして面白いのはそればかりでなくストーリー構成のアイデアの良さにもある、プロットが3度ループしてリピートされるのだ。即ち恋人のSOSを受けたローラは3つの時間で異なる未来を選択して走るのである。これはまるでエンディングが幾つも用意されたゲームのような世界観と言えば最も解り易いかもしれない。

やり直した未来は果たして過去の失敗を生かして上手くいくのか?エンディングに向って1回、2回、3回とストーリーの中の出来事が少しずつ変化し、注意深く見ていると反復されるエピソードの些細な違いで運命が変わっていくことに気づくだろう、それがなかなか快感だ。
わずか80分の間に切れ味鋭く凝縮された時間のループ、それは云わば「可能性のループ」でもある。僅か1秒の時間のズレが人生を大きく変えることがあるのかもしれない。最初の2つでは命が失われるが3つ目は命が与えられる。ストーリーの反復は因果律の法則を観客に感じさせる実に有効な手段であることが解るだろう。

だが、テーマやキャラクター造形が云々とかまして哲学なんて感じるのはここではちょっとやめてみて(笑、そんなものに拘らずにPV的な映像の中に身を任せ、とにかくローラと一緒に走ってみるような気分で観た方が絶対に面白い、そんな映画だ。頭や心をフル回転させて観なくてはいけないような重さのある映画ばかり続くと、時々こんな何も考えずにその中に身を委ねられるような映画が無性に恋しくなる。
走れ走れ走れ走れ、そして選べ。
あんなダメダメ野郎(「es」でも引っ掻き回してたあの彼ですよ!)の為に、ローラは必死になって走る、あろうことかラストシーンは「その袋、何?」の見事な間抜けっぷりで収束、こんなバカバカしい話は他にないだろうとさえ思うのだが、鑑賞後はとても爽快だ。ローラを演じるフランカ・ポテンテ(「ボーン・アイデンティティー」のヒロインやってた骨太な彼女)の体育会系の走りがその爽快感を支える一つの魅力であることは言うまでもない。

ラン・ローラ・ランのサントラがいい、という話を先日の記事で書いたが、全速力でローラが走る映像を彷彿とさせるアップテンポなテクノのリズムが日常の惰性とストレスをリフレッシュしてくれる。映画の方はパラレルワールド的仕掛け物なので繰り返し何度も観て楽しむタイプの作品ではないと思うが、テンションを上げたい時にこのサントラはなかなかいいので興味のある人は映画と一緒に注目して聴いてみたらいいんじゃないかな。
1999年度インディペンデント・スピリット賞外国映画賞受賞作品。初見一発勝負的な作品で小品だが、自分は文句なく楽しめた映画の一つです。

(週末一応新作も観たりしたんですが書く気力が無いよ orz


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ラン・ローラ・ラン ラン・ローラ・ラン

  ジャーマンテクノのリズムが快感、"Wish"始め、テクノ好きには最高のアルバムだろう。
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