-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ばかのハコ船」
2006年 04月 05日 (水) 09:24 | 編集
ばかのハコ船 No One’s Ark ばかのハコ船 No One’s Ark

「ばかのハコ船」 ★★★☆

NO ONE'S ARK (2002年)
監督:山下敦弘
脚本:山下敦弘、向井康介
キャスト:山本浩司、小寺智子、山本剛史、細江祐子、田中暁子、松江哲明、今枝真紀、木野花、笹野高史
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ ばかのハコ船@映画生活

どこまでも日常がべったりと張り付いた演出、そしてそれをひっくり返す途方もなくシュールなオチ。
リアリズムの宿」ほどのユニークなリズムはないものの、話の単純な面白さはこっちが上かもしれない。

山下監督というのは誰でも感じた事のあるような何とも気まずい瞬間やどうしても噛み合わない他人との距離感を描くのが実に上手い監督だ。
ストーリーは胡散臭い健康飲料「あかじる」に入れ込んで借金を抱える若いカップルが、田舎に帰省して起死回生を狙う全身脱力コメディ。
映画の技巧的な側面を見れば、カメラワークやカウリスマキに似ていると評される「間」というものに関しては、この作品から「リアリズムの宿」でさらに研ぎ澄まされていく。だが、つげ義春原作でくるりが音楽を担当した「リアリズムの宿」に比較しても、こちらの話は徹底的に温い日常性が一段と強調されているように思う。

何をやってもダメな二人に対して、それを取り巻く周囲は極めて冷静、「普通」な日本の常識がどこまでも繰り返される。希望的観測に満ちた船出から始まった二人の航海は、誰からも認められることなく当たり前に厳しい世間を当所もなく漂い続けるのだ。要領悪く不器用で途方も無い夢を見続ける彼等と、東京から戻った風俗嬢のヴェロニカが地道に着々と夢を叶える様が対照として描かれていることによって、夢の実現というモチーフがきっちり描き出されている点も非常に上手いと思う。
圧巻は何と言ってもカップル二人と同級生達がとんでもないタイミングで鉢合わせするシーンや、二人を吸い込むマンホールw、そしてエンディングのストッキングだ(爆。おそらくそれまでの展開からは想像もできない誰もが唖然とさせられるシュールなオチである。
ばかのハコ船、まさに誰も同乗したくない愚かな理想の船なのだ。

但し、この監督の「間」やリアリティ溢れる作風というのは非常に好き嫌いがあるのではないかとも思う。要はこのどこまでもショボい世界観が苦手ならば徹底的に受け入れられないティストでもあるということ。あくまでも「普通」を限りなく追及した主演の山本浩司に象徴される貧相そのもののキャスティング、日本の生活感溢れる貧乏臭い写実描写。それはある種観客の感情移入を突き放してしまうような印象さえ与える細部まで計算されたリアリティのセンスとも言える。
山下監督の淡々とした独特の個性を体感したいという人、カウリスマキやジャームッシュの作品が好きな人は観て損はない。そして「リンダ リンダ リンダ」の原点がここにあるのだ。


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