-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「バス174」
2006年 03月 28日 (火) 01:13 | 編集
バス174 スペシャル・エディション バス174 スペシャル・エディション

「バス174」 ★★★★

ONIBUS 174、BUS 174 (2002年ブラジル)
監督:ジョゼ・パジーリャ
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ バス174@映画生活

その存在を社会から認知されないストリート・チルドレンの叫び。バスジャック事件からブラジルの社会問題を問うた力作である。

本作は2000年6月、リオデジャネイロで起きたバスジャック事件の真実を問い直すドキュメンタリー。
体制批判的アプローチから事件を検証した作品であるが、完全生中継されたこの事件のTV映像と人質の証言とを交互に映し出してリアルタイムで事件を解説していくユニークな方式が印象的である。更にそれだけではなく、実際のストリート・チルドレン達の肉声を追い、犯人サンドロの生い立ち、ブラジルの監獄、警察の実態等を重層的に描く事によって、事件によって焙り出されたブラジル社会の負の部分を徹底的に描き出すことに成功している、とにかく非常に説得力のある作品である。上手い。

勿論これは一つの視点から事件を検証したものだ、この作品だけで判断することができないのは当然だが、何度も俯瞰で映し出される美しいブラジルの風景からは我々が想像もできないような目に見えない社会問題が確かに存在することを思い知らされる。スラムの街並みでさえも遠くから眺めているだけではその実情は何も解らないのだ。
作品では目を覆うばかりの刑務所の陰惨な状況、ストリート・チルドレン達を差別抹殺する社会、そしてこんな事件でさえもTVが中継してしまう現代マス・メディアの歪み、様々な証言と取材によってこれ等の問題が白日の下に晒される。

この作品を観て西鉄バスジャック事件を思い出さない人はいないのではないだろうか。日本で同じ年に起きた事件はこんな検証はされていない、青山真治監督の「ユリイカ」はバスジャック以前に既に作られていたものだ。稚拙だが異様に残虐な近年の日本の少年犯罪を思い起こさずにはいられなかった。
またリオを舞台にした作品で犯罪に手を染めるストリート・チルドレンを描いた作品と言えば「シティ・オブ・ゴッド」がある。それも非常に優れた作品だが「シティ・オブ・ゴッド」の場合は暴力でさえもいつしかエンターティメント化されてしまう極めて「映画的」な作風であった。比べて鑑賞するのも興味深いものがあるが、フィクションではない分だけ「バス174」はずっしりと重い。社会に踏み躙られた人間の憤りと孤独がしっかり観る者の心に届く。

ったく「コンクリート」もこの位真面目に作れよな・・・。


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