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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「テシス/次に私が殺される」
2006年 03月 14日 (火) 01:38 | 編集
テシス テシス

「テシス/次に私が殺される」 ★★★☆

TESIS、SNUFF (1996年スペイン)
監督:アレハンドロ・アメナーバル
脚本:アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル
キャスト:アナ・トレント、フェレ・マルティネス、エドゥアルド・ノリエガ
   ⇒ テシス@映画生活

「映画とは金だ、作り手は大衆の欲求に応える」
要らぬ暴力描写に期待する視聴者のモラルをも問うこの映画、只者じゃないぞw。

海を飛ぶ夢」「アザーズ」等次々に秀作を送り出すアレハンドロ・アメナーバル監督の長編デビュー作だそうで、実際の殺人映像(スナッフ・フィルム)の謎を巡って展開するサスペンス・スリラーである。

学園サスペンスとしてはエロと恋愛をボチボチ織り交ぜてはいるものの極めて抑制の効いた演出が目立つ作品であり、サスペンスとしてはまあまあな出来だろう。少々正直細部突っ込みたくなる部分があることも事実だし(肝心な時に都合よくいないチェマとかねw)、犯人もまぁすんなりと落ち着くところに落ち着いてしまうのだが、この映画の見所は単なるサスペンスの謎解きだけではない。
最も興味深いのは本作で語られる「映像における暴力」というテーマ自体が映画を取り巻くメディアの有り方を考えさせられるものになっている点だろう。映画のラストシーンは、拷問スナッフ映像を流すTV放送とそれを見つめる視聴者で締めくくられる。映画製作について商業主義を抜きにして語ること自体ナンセンスだが、この作品のエンディングは作る側にも観る側にもモラルが必要だということを再認識させられるものだ。エスカレートする映像への期待がヤラセを産むような昨今のメディアの有り方にシニカルにリンクしている点は見逃せない。

スナッフ・フィルムが作品のキーになっているにも関らず最後までその映像が殆ど見えないことに着目すべきだろう。無駄にスプラッタな映像表現を徹底的に避けているのは、この映画が「映像における暴力」を否定する立場を採っている所以だ。過激な表現はいくらでも出来るモチーフをここまで最小限に抑えて見せるという監督の技量と拘りに感心してしまった。当時アメナーバルは23歳・・・俺と2個しか違わないよorz

で、どこかで見た様なと思ったら、「バッド・エドュケーション」でガエル・ガルシア・ベルナルのブリーフ姿を眩しそうに見ていたあのフェレ・マルティネスが、もてないダメオタク青年(ポルノ好き♪)を好演していた。実は物凄く共感したのがこのキャラだったりするw、や、自分に似てるというわけじゃないけどさ(;´Д`)


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