-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「クラッシュ」
2006年 03月 02日 (木) 01:21 | 編集
crash オリジナル・サウンドトラック crash オリジナル・サウンドトラック

「クラッシュ」 ★★★★

Crash (2005年アメリカ)
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス、ボビー・モレスコ
キャスト:サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジート、ウィリアム・フィクトナー、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、クリス・“ルダクリス”・ブリッジス、タンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ、ラレンズ・テイト、ノーナ・ゲイ、マイケル・ペーニャ、ロレッタ・ディヴァイン
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ クラッシュ@映画生活
   ⇒ エンディングテーマ"May be tomorrow"のPVをBARKSで試聴する

いがみ合い憎しみ合いながらも、人は人と繋がらなければ生きて行けない

ロサンジェルスのハイウェイで起こった1件の衝突事故。そこから連鎖していく人々の運命の「衝突」によって語られる36時間を描いた群像劇である。
まず脚本が非常に巧妙である。人種差別問題を基軸にして背景も階級も異なる多種多様な人間達が遭遇するクラッシュと人生の悲喜劇を描き出しラストのクラッシュで見事に終局させる。重苦しいテーマを上手くまとめられていることに感心する。
監督・脚本はあの「ミリオンダラー・ベイビー」で脚本を書いたポール・ハギス。
この手の群像劇と言えばで3時間という大作の「マグノリア」や「ショートカッツ」を思い出さずにはいられないが、本作は2時間の中に多数の人間の人生が交錯するという実にコンパクトにまとめられた脚本である為か若干各エピソードの掘り下げは浅いと感じられるかもしれない。しかし人物描写は思いの外きっちり為されているし、極めて些細なことで衝突を繰り返すアメリカ社会の負の歪みを描きつつ、その拘泥や憎しみ、哀しみを引き受けるのもやはり人間の心でしかない、ということを痛切に感じさせてくれる映画だ。

最も見逃せない点は人間を多面的に捉えている事であろう。
監督によればこの映画は人種や階級についてというよりも見知らぬ人間への恐怖を描いたのだという。
人種差別主義者であるマット・ディロンと人種差別を忌み嫌うライアン・フィリップの行動が最終的には対極的な方向に向うエピソード等は、訳知り顔で物事を軽々しく判断しがちな我々人間がいかに多面性を持つのかということを大いに物語る。其々の立場から見た正義とは全く異なった顔をしているかもしれないのだ。また、弱くて醜い部分と共に、暖かくて強い人間の美しさが同時に焙り出される事によって、我々はこの作品の中に絶望や孤独だけではなく一縷の救い(希望)を感じ、そしてこんな憎悪に塗れた社会でもやはり人は人と繋がらなければ生きて行けないのではないか?、と再認したくなるのだ。
映像で、人物の背景を真っ白に抜くショットが多かったことを憶えているだろうか?あの印象的な白い光は、ふと他人が急に遠く感じられる瞬間を酷く残酷に描き出しているように思えた。日常の間隙を縫って人が孤独を意識する象徴として実に上手いアクセントになっている演出である。

人種差別と偏見が根深い銃社会アメリカの現実から、人と人の関り、絆というテーマを絶妙に映し出した作品として個人的には絶賛したい作品である。あまりに人物相関が上手く関連付けられ作り事めいている点は、群像劇がよく指摘されがちな批判の矛先を向けられるポイントではあろうが、そんなことよりも緻密な構成から焙り出されるテーマの圧倒的な希求性を見るべきだろう。観る者も人間である事を試され、そして問いかけられるようなそんな作品である。
豪華な俳優陣の競演も見所の一つだ。サンドラ・ブロックはあまり目立たないが特にマット・ディロンとドン・チードルのエピソードは秀逸。群像劇が好きな人には外せない作品だろう、必見である。

【追記】下馬評で受賞の呼び声が高かった「ブロークバック・マウンテン」を押さえアカデミー作品賞、脚本賞を受賞。ポール・ハギスは2006年夏全米公開予定のイーストウッド作品「父親たちの星条旗」でも脚本を担当、今後も注目の監督・脚本家だ。

エンディングテーマはStereophonicsの"Maybe Tomorrow"、味わいのあるいい曲だ、サントラにはその他Bird York、Billy Idol、Move.meant等の楽曲が収録されている。


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Crash [Original Motion Picture Soundtrack] Crash [Original Motion Picture Soundtrack]
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