-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ホテル・ルワンダ」
2006年 02月 16日 (木) 00:05 | 編集
ホテル・ルワンダ ホテル・ルワンダサウンドトラック

「ホテル・ルワンダ」 ★★★★

Hotel Rwanda (2004年伊/英/南アフリカ)
監督:テリー・ジョージ
キャスト:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ホアキン・フェニックス、ニック・ノルティ、モツシ・マガノ、デズモンド・デューブ、レレティ・クマロ、ジャン・レノ
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ ホテル・ルワンダ@映画生活

無知を知るということ。
この重い事実を映画で知ることがなかったら、永遠に見過ごしていたのだろうか。蚊帳の外で安閑としていた者にはとても耳が痛い。

監督は「父の祈りを」でアイルランド紛争を重厚なタッチで描いた脚本家テリー・ジョージ。
ホテル・ルワンダの支配人ポールの目に映ったルワンダ紛争と虐殺の史実を、エンタメサバイバル作品としても社会派ドラマとしても非常に見応えのあるものに仕上げて見せる。

作品の核となるものは3つ。
一つは無関心を装う世界情勢、という視点。
自国の内乱を収拾できないで立ち往生する「価値のない」国に対しての先進諸国の対応は非常に醒めたものであった。"ディナーを食べながら「怖いね」と言うだけ"、と西側の対応を評したカメラマンの言葉が、半ば皮肉ながら国家間の利害の現実というものを如実に表してみせる。対岸の火事を見つめるだけの行為があの虐殺を放置し100万人もの犠牲者を出した、その事実がとても重く観る者にのしかかる。今のイラク紛争への援助介入の是非についても考えさせられるポイントであろう。

もう一つは主人公ポール自身の家族愛である。
最終的には彼自身の培った人脈や危機管理能力によって1200人もの難民が命を救われることになる。降りかかる火の粉を何度となく払いながら逃げ延びる彼の機転と勇気は本作の大きな見所であるが、その行為の根底にあるものは常に家族への深い愛情なのだ。「シンドラーのリストアフリカ版」的なプロットではあるが、この家族愛が作品のテーマの一つである点はシンドラーとの大きな違いだろう。

そして最後は「選別」というキーワード。
激しく降りしきる雨の中を撤退するバス、選ばれる事のなかった避難民はそれを見送るしかない。また部族紛争の内乱の中でポールは自らが西側支配階級に属しているどころか「ニガーですらないアフリカン」だということも嫌と言うほど思い知らされるのだが、これも逆説的な選別ではないだろうか。
「価値がない国」という判断によって、そこに暮らす一般市民の価値さえも否定されるようなおぞましくも暗澹たる現実が確かに1994年のルワンダにはあったのだ。ルワンダ紛争とは国家が行った「差別」行為そのものであるように思えてならなかった。

多少ご都合主義なハリウッド映画チックな展開が見えるものの、壮絶な暴力描写が少なくても虐殺の恐怖や緊張感は十分に伝わってきた。やり過ぎない解り易い演出には好感が持てる。
個人的にはこのような作品が製作され公開されること自体に大きな意義があると思うし、映画には事実を知らしめるメディアとしての存在価値があるということを改めて実感させられる作品でもある。ネットの署名によって公開にこぎつけられたこと自体も嬉しい点だ。
「トラフィック」「16歳の合衆国」等のドン・チードルの地味ながら誠実な持ち味が生かされた秀作である。自分の無知を思い知らされる観て良かったと思える映画だ。

   ◆ルワンダ紛争について(Wikipedia)


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