-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「仕立て屋の恋」
2006年 02月 09日 (木) 00:24 | 編集
仕立て屋の恋 仕立て屋の恋

「仕立て屋の恋」 ★★★☆

MONSIEUR HIRE (1989年フランス)
監督:パトリス・ルコント
音楽:マイケル・ナイマン
キャスト:ミシェル・ブラン、サンドリーヌ・ボネール、リュック・テュイリエ、アンドレ・ウィルム、フィリップ・ドルモワ、マシュー・ゲイデュ、ミシェル・モラノ、マリエル・ベルトン、アンドレ・ボーダン
   ⇒ 仕立て屋の恋@映画生活

「死ぬほど切ないだけさ」、その一言に総てが集約される。

一歩間違うとただの変態映画に成り下がるこの手のモチーフを、正常と異常の極めて危うい均衡を保ちつつ繊細な情感の描写によって美しくかつ鋭利に焙り出す。
「愛に関する短いフィルム」同様、覗き見るという行為に快楽を得る感覚というものは男の性なのだろうか。一般的には他者から見ればやはり正常とは思えない変態行為だろう。だがルコントが描くイールという男の愛情は、相手を所有しようとしない半ば信奉とでも言うべき情感であり、ある種のフェティシズムに近いストイックで純粋な感情だったのではないかと思う。

しかしそれは、女に対する現実の所有欲に向った瞬間に脆くも破綻してしまう。彼の思いは報われないどころか女のしたたかな計算によって完全なまでに裏切られるのだ。いや裏切りですらないだろう、何故なら彼は愛されてはいなかったのだから。彼の間違いは、決して報われない報われなくとも思い続けるはずの愛にいつしか執着し、その見返りを求めてしまった誤謬でもあった。

見事なハゲ頭となまっちろい肌、ヅラ被ったら意外にイケメンなのになぁ、惜しいと思わせる風貌のミシェル・ブランが(しかもチビだ、泣ける)、これまた妙に王道にフランス映画バリバリな雰囲気で渋い台詞を言っちゃったりする。中年ハゲ独身、趣味は覗き&二十日鼠飼育&ボウリング、匂いフェチ。どこから見ても立派なキモオタでさえルコントの手にかかればこれ程凛々しくピュアな存在となって映し出される。女を待って駅で佇む純朴さ、手酷い仕打ちに呆然とする悲しみの表情、まさに死ぬほど切ないドラマだ。

性的な関係にさえ到らない微妙な男女の情感、また男と女の性(サガ)を対照的に見事に描き出したルコントの秀作だろう。エンディングは「髪結いの亭主」の如くやはりドラマティックだ。「愛に関する短いフィルム」「トーク・トゥ・ハー」も非常に近いテーマを包括しているので、興味のある方は是非この「仕立て屋の恋」と並べて、切な過ぎるぜコノヤローな変態三部作として鑑賞の程(褒めてます。

・・・やっぱ男は懸垂はできないとな。


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