-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」
2006年 02月 08日 (水) 20:27 | 編集
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に

「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」 ★★★★

Neon Genesis Evangelion - The End of Evangelion (1997年日本)
監督:鶴巻和哉「Air」、庵野秀明「まごころを、君に」
脚本:庵野秀明
キャスト(声の出演):緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、三石琴乃、立木文彦、清川元夢、山口由里子、麦人、長沢美樹、子安武人、結城比呂、川村万梨阿、石田彰、山寺宏一
   ⇒ 新世紀エヴァンゲリオンDEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に@映画生活
   ⇒ テーマ曲THANATOS-IF I CAN’T BE YOURS- を試聴する

ロボットアニメとしての体裁を取りながら、アイデンティティを模索する試行錯誤を究極まで突き詰め、心の彷徨を描いた作品である。

TVシリーズが放映されていた頃自分はまだ小学生だった。だからその後ビデオやDVDシリーズが出て観直すまで作品のテーマ等欠片も理解できるはずもなく、勿論今でもこの作品のどの程度を理解できているのか甚だ疑問だが、それでもこのアニメが従来のアニメと全く違うという強烈な衝撃を受けたことだけははっきり憶えている。14歳の主人公がのた打ち回って苦悩する姿と相反して驚異的に異様な力を発揮するエヴァンゲリオンというヒト型ロボットの謎と魅力は、とにかくそれまで知っていたレンジャー物やガンダム等のアニメとは完全に一線を画していたからだ。

で、本題ですが。
この「Air/まごころを、君に」はTVシリーズの25話、26話「終わる世界」「世界の中心でアイを叫んだケモノ」を補完する形で後に作られた劇場版完結篇である。よって単体での評価というのは困難なのだが、TVの最終話では哲学問答風に精神世界で終わってしまって理解し難かった人類補完計画、使徒の正体、エヴァの謎等に肉薄するある程度まで具体的な物語となって帰結している。
TVアニメが持っていたこの作品の様々な魅力、例えば初号機のヒロイズム、思春期の友情や恋愛感情だったりシンジとゲンドウの和解、エヴァが守り戦ったものに対する成果みたいな所謂普通のアニメに我々が当然期待するような帰結がここには一切ない。だからこれは裏切りだ、単なる放置だ、と非難されるのかもしれないが、量産機をエヴァがなぎ倒して勝利したところでこの作品のテーマは決して完遂しないのだから、シリーズのエンディングとしては全く妥当な総括であると思う。

結局この作品が描きたかったものは、自分と他人という未来永劫に続く喜びと恐怖の関係なのだろうと思う。最初から貫かれている物は「現実に向き合え」というたった一つのメッセージだ。人がヒトである限り他人と生ずる軋轢も悩みも尽きることがない、だがそれでこそ人間世界なのだ、という極めて単純なる人間存在と現実世界の肯定。
欠落した自己を他人によって補おうとする人類補完計画自体が観る者に対する「これは果たして正しい選択なのか?」と問うテーゼではないか。
自分が感じる自分、自分を取り巻く他人が見た自分。この作品に描かれた、自己存在を証明する他人という存在とせめぎ合う心の戦い、或いは心の壁であるA.T.フィールド、そして人類補完計画とは、ユングの心理学の自我と自己防衛の理論を想起させるものだ。様々なペルソナによって脆弱で傷つきやすい心を覆って他人と接する自分、そしてコンプレックスの克服としての補完、それ等が究極的には心のカタチ、魂の入れ物としてのヒト、という概念に繋がるわけだ。ユイと初号機、リツコの母とマギ、初号機に取り込まれるシンジ、クローンとして何度も生まれ変わるレイ、其処に見えてくるものはやはり肉体と魂という存在のあり方、そしてアイデンティティの確認作業に回帰する。

確かに、繰り返し訪れる使徒、ガフの部屋、生命の樹、ロンギヌスの槍、アダム、それ等聖書から引用される難解な言葉やそれに対して何の説明補足もない展開は最後まで変わることがなく解り易い作品ではない。そのキャラクターがアニオタの心をくすぐる牽引力となり、またあまりに脆弱で孤独な少年と対照的に彼を支える謎のロボット、エヴァンゲリオンの圧倒的な力が独特のヒロイズムと世界観を持っていたが為に、テーマ性自体が理解され難いこともまた事実であろう。だがエヴァンゲリオンに対する一方的な思い込みと期待から、最終帰結への批判が噴出することも半ば庵野監督は想定していたのではないだろうか。殻に閉じこもったまま現実逃避している者達を表象するかのようなシンジというキャラクター、TVシリーズ視聴者の期待を真っ向から裏切るような着地、観客席などの実写風景を織り交ぜた映像、そして最後の「キモチワルイ」。
結局人は誰も一人では生きていけない、そして相変わらず続く他人との間の苦悩、だけどそれに向き合わないと何も始まらない。あのエンディングが語るものは残酷なまでの「現実」そのものだ。

  逃げちゃダメだ。
  私は、誰?
  私が死んでも替わりはいるもの。
  私と一つになりたい?心も身体も一つになりたい?
  あなたは死なないわ、私が守るもの。
  何を望むの?
  キモチワルイ。

ぅゎぁ・・・・やっぱりかなり痛いな、ミクシィの日記で痛いの晒すのと同じ位痛いぞこりゃw。しかしアイデンティティーを問うそのテーマ性といい、キャラデザインのユニークさ等旧来のアニメを吹っ飛ばしてしまう斬新さを持った作品であることは確かだ。興味のあるモラトリアム邁進中♪な方はTVシリーズから是非どうぞ。この作品に熱狂心酔し、今まで見たことないほどヘタレな主人公に感情移入させられる理由は、誰でも一度は通り過ぎる不確かな自身の存在意義という自分とのせめぎ合い、そんな心の彷徨への共感があったからではないかと思うのだ。

というわけでエヴァヲタなんですよ、ま、BOXは買いましたハイw。
因みにハリウッドではエヴァンゲリオン実写化というトンデモ構想があって嫌な予感。

   ◆参考資料
    ・ 新世紀エヴァンゲリオンプロモーション映像を無料試聴する
      TVのオープニング映像と「残酷な天使のテーゼ」(WMPです)
    ・ 新世紀エヴァンゲリオン詳細解説(by Wikipedia)
    ・ ようつべw

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