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The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ミザリー」
2006年 02月 08日 (水) 19:50 | 編集
ミザリー〈特別編〉 ミザリー〈特別編〉

「ミザリー」 ★★★☆

MISERY (1990年アメリカ)
監督:ロブ・ライナー
原作:スティーヴン・キング
キャスト:ジェームズ・カーン、キャシー・ベイツ、ローレン・バコール、リチャード・ファーンズワース、フランシス・スターンハーゲン
   ⇒ ミザリー@映画生活

熱狂的なファンがストーカーとなり得るという話。暴走した愛情の押し付けが狂気に変わる恐怖を描く。

いやぁ、怖い、原作も怖いけどこのキャシー・ベイツのキレっぷり、やることのえげつなさ、幽霊やゾンビ物の恐怖なんかこれに比べたら生易しいと思える程の人間の狂気、痛いこと怖いことこの上ない作品である。スティーヴン・キング原作物では「デッド・ゾーン」「スタンド・バイ・ミー」「シャイニング」ほどではないにせよ非常に見応えのある出来だと思う。ロブ・ライナー監督とは相性がいいのかな、キング作品w。

NO.1のファンであるということで、相手にも自分がNO.1であることを強要するという狂気、言い換えれば人間の愛着というものは裏返すと支配欲や征服欲に繋がる可能性があるという恐怖を描いた作品だ。言い換えれば愛情は憎悪と紙一重になり得るという酷く皮肉な人間心理を鮮烈に抉り出して見せるのだ。
これだけホラーに徹し、一縷の希望さえも木っ端微塵にして最後まで恐怖感を煽ってくれる演出もいいが、ある種のサディズムとマゾヒズムに近い感覚を覚えるような監禁者と被害者の関係にも注目である。作家が自らの著書を焼くというシーンが二度登場するが、作家の自負とプライドをかけたアニーとの心理合戦も見物だ。作品に過度の愛着を持ったファンの狂気を逆手に取って、著書を自らが焼いてしまうという行為は一瞬支配者と被支配者の立場を逆転させるのである。

まぁジェームズ・カーンの懇願演技も必見だが何と言ってもキャシー・ベイツの鬼畜ぶりに尽きる、そう言っても過言ではないサスペンス。原作はもっと痛いわけだが、スプラッタ色を強く出し過ぎないでサイコサスペンス風に仕上げた方向性は反って良かったと思う。

以前観た時ほどインパクトを感じなかったのは、最近この手のストーカー殺人事件をよく耳にするせいか、笑い事では済まされない現実があるからかもしれない。本作でキャシー・ベイツはアカデミー主演女優賞受賞、まぁ納得だ。「ストレイト・ストーリー」の後亡くなったリチャード・ファーンズワースが味のある演技を見せている。


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