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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ロード・オブ・ドッグタウン」
2006年 02月 02日 (木) 01:36 | 編集
Lords of Dogtown Lords of Dogtown

「ロード・オブ・ドッグタウン」 ★★★★

LORDS OF DOGTOWN (2005年アメリカ/ドイツ)
監督:キャサリン・ハードウィック
脚本:ステイシー・ペラルタ
キャスト:エミール・ハーシュ(ジェイ・アダムズ)、ヴィクター・ラサック(トニー・アルヴァ)、ジョン・ロビンソン(ステイシー・ペラルタ)、マイケル・アンガラノ(シド)、ニッキー・リード、ヒース・レジャー、レベッカ・デモーネイ、ジョニー・ノックスヴィル、ウィリアム・メイポーザー、ジュリオ・オスカー・メチョソ、ヴィンセント・ラレスカ、チャド・フェルナンデス、マット・マロイ、ローラ・ラムジー、チェルシー・ホッブス、アメリカ・フェレーラ、ソフィア・ヴェルガラ、ネッド・ベラミー、チャールズ・ネイピア
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ ロード・オブ・ドッグタウン@映画生活

毎日好きなことしていたい、金儲けの為に滑りたくない。
だけどどうして夢は現実の手垢で染まってしまうんだ?

これは70年代のアメリカ西海岸から時代を席巻したスケートボードスター、"Z-BOYS"の青春を描いたドラマである。
前半は革命的に飛躍したスケボーの醍醐味と彼等の栄光への軌跡をスピーディに描き、後半は其々の選択と挫折、再会をドラマティックに綴る。

素晴らしいのは、単なるスケボーに狂ったバカな若者たちの青春の顛末というだけではなく、彼等が「スケボーに描いた夢」という一つの絆で繋がっていたというドラマが、明暗其々にしっかりと描かれているということだろう。富と名声で歪んでいく周囲、そして自分自身の夢への熱い思い、きっといつかは折合いをつけなくてはならない理想と現実を前にどうしようもなく迷い途惑う。テーマ的にはオーソドックスな青春物の持つ不安定さ・挫折と葛藤を包含しつつ、そんな若き日の苛立ちを超爽快にスケボーでブッちぎってくれるのだ。

見所はやはりアグレッシブな滑走シーンとスピード感だ。この作品の柱である無謀とも思えるZ-BOYSの活躍ぶりを半端なく描いているからこそドラマシーンが鮮やかなリアリティを持ち尚一層冴え渡るのだろう。プールからプールに新しい滑走場所を求めて渡り歩く描写の快感、空中に弧を描くダイナミックな浮遊感、更にバックに流れる音楽のカタルシスは言うまでもない。Deep PurpleのSpace Truckin' に始まって自分でも知っているHRの大御所の名前が並ぶ。70年代ロックシーンのファンならもう泣いて喜ぶ充実のラインナップではないだろうか(サントラLords of Dogtown参照)。
そして何と言ってもシドの病をきっかけに再会した3人が空っぽのプールで滑るクライマックス、これが切なくも圧巻である、何てカッコいいんだ!
云わばシンプルにしてただ一つ彼等が求めていた真の喜びの瞬間の具現化である。車椅子の友に向けられたボードのシュプール、それは3人がドッグタウンでスケボーだけに明け暮れていた頃のように一つの軌跡となって刻まれるのだ。

今だったら全然珍しくないと思えるボードテクニックも、当時の彼等によって革新的に飛躍したものらしい。スケボーなんかできなくてもその魅力の虜になる2時間であることは間違いないだろう、久しぶりに心の底から熱くなれる青春群像劇だったと思う。
勿論全年代にお薦めとは言わない(笑、だがもしもストリートファッションにもスケボーにも一切興味がないとしても、一つだけ絶対に共感できるものがこの映画にはある。それがあの空っぽのプールだ、誰の心にもあの水のないプールは夢の置き場として永遠にあるはずだと思う、マジで痺れました。

Z-BOYSオリジナルメンバーのステイシー・ペラルタは、既にドキュメンタリー「DOGTOWN & Z-BOYS」で2001年サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門の最優秀監督賞を受賞。本作はこの作品のドラマ部分を瑞々しく映像化し、やはり脚本をペラルタが担当している。エミール・ハーシュ(ディカプリオとジャック・ブラック入ってるよな)、ヴィクター・ラサック、ジョン・ロビンソン(「エレファント」主演)3人がきっちりキャラを作って熱演している点も見逃せない。彼等は実際にボードテクニックをZ-BOYSの面々に教わりかなり素晴らしい滑りを披露している。それにしてもジョン・ロビンソンはいい俳優だなぁ。

この映画観ると無茶苦茶スノボーしたくなって困った。(注:スケボーじゃなくてスノボーです
だああああああああああっ、試験終わったら行くぞ!!!!!


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■豪華ナンバーが揃ったサントラの試聴はAmazon.comの下記のLINKから。
Lords of Dogtown [EXPLICIT LYRICS] [SOUNDTRACK]
Deep Purple、Iggy Pop、Black Sabbath、T.Rex、Social Distortion、David Bowie、Jimi HendrixなどHM/HRファンには堪らない大御所の名前が並ぶ。予告でも使われていたGreendayが収録されていないのは残念だが、ラストにSparklehorseバージョンの"Wish You Were Hear"(炎~あなたがここにいてほしい~)が入っているのも嬉しい。

■ドキュメンタリー「DOGTOWN & Z-BOYS」
Dogtown & Z-Boys (Full Sub Dlx Dol) Dogtown & Z-Boys (Full Sub Dlx Dol)

■DOGTOWN & Z-BOYSサウンドトラック
Dogtown and Z-Boys Dogtown and Z-Boys

■Wish You Were Hear「炎~あなたがここにいて欲しい」(ピンク・フロイドの名盤!)
炎~あなたがここにいてほしい~ 炎~あなたがここにいてほしい~
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