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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「GO」
2006年 01月 06日 (金) 21:35 | 編集
GO GO

「GO」 ★★★★

(2001年日本)
監督:行定勲
脚本:宮藤官九郎
原作:金城一紀
キャスト:窪塚洋介、柴咲コウ、大竹しのぶ、山崎努、山本太郎、新井浩文、村田充、細山田隆人、キム・ミン、ミョン・ケナム、大杉漣、塩見三省、萩原聖人

パッチギ」を観たのでそれ繋がりで再鑑賞。行定監督の作品の中で一番好きなのがこれだ。
在日問題を扱った最近の作品では「パッチギ」や「血と骨」が記憶に新しいところだが、この作品が持っている「自分とは何者なのか」という自問自答と熱さや切なさは人種や民族云々のくくりを超えて観る者の心を打つ。「トンネル」や「JSA」という現実に目に見える「壁」だけではなく、我々人間の心の中にある見えない壁をこの映画は抉り出してみせるのだ。ボーダレスなんて軽々しく口に出せない中身の伴わない国際化社会ニッポンはこの映画の後少しは変わったのだろうか?この国に住む外国人は増えているが差別や偏見がなくなっているわけではない。
宮藤官九郎の脚本のスピード感がとても心地良い。元々行定監督は繊細で曖昧な心の揺れや表情を描くのは上手い監督だが、こういうエネルギッシュで骨太な作品を撮るセンスも再認させられる。

「俺は俺だ」

「恋愛に関する物語」と何度も繰り返されるその台詞の本当の意味は、恋愛や友情や家族の絆を通して気がつく「自分自身の物語」である。
窪塚については独特の癖のある演技に好き嫌いはあるだろうがこの杉原にはよくはまっている。脇を固める山崎努、新井浩文、大竹しのぶなどの役者も素晴らしい。
自分が自分であることを好きになれる、或いはそうでありたいと思える作品なんてそんなに出会えるものではない。在日云々に捉われずに自分の居場所、アイデンティティーを探す青春ドラマとして傑作だと思う。

・・・自分の拳で描いた円の中でだけ生きることを、どう思う?

多分自分は行定監督の映画を観る時にずっとこの「GO」を引き摺っているのかもしれない、と改めて思った。セカチューとか北のなんとかみたいな映画じゃなくてこれだろう?と思ってしまうわけだ・・・勝手極まりない話だがw。


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■テーマ曲はThe Kaleidoscopeの「幸せのありか」、これが収録されたベストアルバムは此方↓ 
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Maxiシングルは↓ 、試聴は一部のみ可能 → Jbookで試聴する
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