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■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2005年
12月
21日
(水)
01:35 |
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「レクイエム・フォー・ドリーム」 ★★★★
REQUIEM FOR A DREAM (2000年アメリカ)
監督:ダーレン・アロノフスキー
キャスト:エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ、クリストファー・マクドナルド、ルイーズ・ラサー、キース・デヴィッド、ショーン・ガレット、ディラン・ベイカー
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高校生辺りに薬の恐怖を教えるなら「ダメ、ゼッタイ」なんていう生易しいCMなんかより、この映画をとりあえず見せろ!w
SF映画「π(パイ)」のダーレン・アロノフスキー監督が描く絶望感に満ちた痛過ぎるドラッグムービー、トレスポと方向性は違うがこの手のテーマを扱った作品としては実に秀逸である。
まず映画で非常に印象的なものは、その手法とシーン切替えの多さで構築された独特のリズムとユニークな映像であろう。要所に挿入されるドラッグトリップシーンの見せ方は、スピーディなカット割や早回し、画面分割等ヴァリエーションに富んだものであり、この作品の映像的な個性を鮮烈に観る者に焼き付ける。目や口元、肌のクローズアップ、リンチやクローネンバーグのエグさやグロさとは違った生々しさを備えたクリアーな映像はそれ自体が魅力的だ。
そして些細なことから転落していく人々の群像劇としてのストーリー構成と、半ばセンチメンタルで胸を締めつけられる様なクリント・マンセルの音楽が、観客の心を捕えて放さない強烈な勢いを持っている。
しかもこの映画が非常に優れている点は、人間の心の弱さという普遍的なテーマをぶれることなくきっちり描き出して見せることだろう。リピートされるまるで儀式のような一連のカットは、ドラッグの中毒性、習慣化を改めて我々に再認させるものだ。
人間が抱える飽くなき欲望、依存、堕落、人としての最低の誇りや尊厳さえ薬は奪い去ってしまう。満たされない思いが薬に人を駆り立てるのか、孤独と悲哀に包まれたエンディングがあまりにも切ない。映画はドラッグの本当の怖さを実に冷酷に映し出すものとして完結している。
キャストでは、エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、それぞれ役者の演技が冴えている。特に終盤のエレン・バースティンとジェニファー・コネリーの鬼気迫る表情は作品に圧倒的な重厚さを与える素晴らしいものだ、ドラッグトリップシーンの演出といい役者の起用といいこの監督は侮れない才能を持っていると思う。
ダイエット効果があるのってス○ードかな、若干説教臭い色合いもあるが、渋谷で遊んでる高校生には教育的貢献度は高いぞw。
個人的にはトレスポの方が映画としてその時代や社会背景まで網羅するという点で好きなのだが、本作も一見の価値があるドラッグ・ムービーだろう。








■その他ドラッグ・ムービー感想LINK
・トレインスポッティング
・SPUN
・裸のランチ
■レクイエム・フォー・ドリームサウンドトラック


⇒ このRemixトリビュートアルバムは全曲一部試聴が可能
In The End It's All Nice 、Haunted Dreams など聴き応えの
ある曲がずらりと並ぶ
■ダーレン・アロノフスキー監督作品

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