-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ロゼッタ」
2005年 12月 16日 (金) 02:54 | 編集
ロゼッタ ロゼッタ

「ロゼッタ」 ★★★☆

ROSETTA (1999年ベルギー/フランス)
監督:リュック=ピエール・ダルデンヌ、ジャン=ピエール・ダルデンヌ
キャスト:エミリー・ドゥケンヌ、アンヌ・イェルノー、ファブリッツィオ・ロンギーヌ、オリヴィエ・グルメ
   ⇒ ロゼッタ@映画生活
   ⇒ IMDbで予告編を観る

何と息苦しい映画だろうか。それでも一瞬たりともロゼッタから目を離せないのだ。

ドキュメンタリータッチでヨーロッパの低所得者層の現実を描いたダルデンヌ兄弟の社会派ドラマである。ハンディカメラが執拗なまでに映し出す少女ロゼッタの表情、息遣い、時に暴力的でさえあるその行動、「息子のまなざし」と非常に近いリアリズム描写と抑制された画面作りが印象的だ。

映画はロゼッタを取り巻く苛酷な現実と彼女の必死の抵抗を粛々と描き出す。トレーラー生活の窮乏に母親の堕落、不当解雇等あまりにも厳しい閉塞した社会状況の中で、ロゼッタは足の届かない沼から這い上がるように必死にもがき続けるのだ。

いつもこのダルデンヌ兄弟の作品に感心させられるのはその見事な牽引力である。凡そ映画的な演出は排除され、ハンディカメラによる手ぶれの画面と極端に少ない台詞、生活音のみの息が詰まるような沈痛さに支配された世界なのに少しも単調さを感じない。むしろ我々は、時に激しい怒りや焦燥に憤るロゼッタの荒々しさや苦悩をひたすら目を凝らして見守っていることに気づく。現実社会の生々しい苦悩と絶望をフィルムに再現する為に計算され尽くした表現にはただただ圧倒されるばかりだ。

そしてまた劇的なラストシーンが素晴らしい。「息子のまなざし」でも同じ手法が採られているが、万事休した瞬間にロゼッタは一度は裏切った存在に救われるのだ。映画もそして観客もまた、このエンディングによって救われる。孤軍奮闘し続けた彼女が初めて他者に心を開いた瞬間、クライマックスは一瞬にしてエンドロールへ。
観る者の湧き上がる感情が最高潮に達した瞬間、唐突に訪れるエンディングの余韻にはいつもながら酔わされる。

映画のテーマ自体陰鬱であるし展開も脚本も地味そのもの、観ていて痛快とか面白いというものではないヨーロッパ映画である。従ってエンタメが欲しい人には絶対にお薦めしない。特にカメラワークに貫かれる独自の拘りはおそらく賛否ある要素でもあろう。
99年カンヌ国際映画祭でパルムドール及び主演女優賞受賞作品。個人的には「息子のまなざし」の方が人間の普遍的な問題にアプローチした作品としてテーマの主旨には共感し易かったが、この作品も一見の価値のある社会派ドラマである。
ま、どっちにしてもカメラは揺れ揺れw。(ビデオに撮ってくれたM君に感謝)

■ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 監督データ
   ・フィルモグラフィー
   ・当ブログの監督作品感想LINK
     ある子供 ★★★★ 
     ロゼッタ ★★★☆
     息子のまなざし ★★★☆   


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