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■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2005年
12月
12日
(月)
21:18 |
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「コーヒー&シガレッツ」 ★★★☆
COFFEE AND CIGARETTES (2003年アメリカ)
監督:ジム・ジャームッシュ
キャスト:ロベルト・ベニーニ、スティーヴ・ブシェミ、イギー・ポップ、トム・ウェイツ、アレックス・デスカス、ケイト・ブランシェット、メグ・ホワイト、ジャック・ホワイト、アルフレッド・モリナ、スティーヴ・クーガン、ビル・マーレイ、ウータン・クラン
⇒ 公式サイト
⇒ コーヒー&シガレッツ@映画生活
⇒ IMDbで予告編を観る
⇒ ホワイト・ストライプスの楽曲をBARKSで試聴する
何気ない普通の時間を鋭く暖かく切り取って見せるジャームッシュのセンスが実に心地良い。
コーヒーとタバコをモチーフにした11のエピソードのオムニバス、86年から作り続けた短編をまとめて作品化したものだそうだ。
要素として起承転結のあるストーリーやドラマティックな演出があるわけではないが、しかしどのエピソードも芳醇で色々な角度から楽しめる味わいがある。
エピソード総てに共通しているのは、一つにはコーヒーとタバコが乗ったテーブルの上からのショットと、白と黒の対比が効いたモノクロの構図という絵的な部分である。オセロ盤のようなテープルは完全にデザイン的な美しさを狙っているのだろう、このショットは観客の脳裏にしっかりと焼付く実に印象的なものになっている。
もう一つはコーヒーを飲みタバコを吸いながら交わされる「会話」によって造り上げられた様々な人々の上に流れる時間である。
とりとめもなく続く会話の中の微妙ないたたまれなさ、居心地の悪さ等の描写は絶妙だ。数が大目にあるコーヒーカップに目に見えない誰かの存在を感じさせたり、第三者によって中断される気まずさの演出も面白い。各エピソードに登場する人物にどんな事情や過去があるのかそれは詳細には殆ど解らない、だが台詞や仕草、人物のルックス等与えられた最小限の要素によって観る者の想像力は激しくかき立てられるのである。さらに秀逸なのは一人が立ち去った後に残された者の表情をもカメラがしっかり捉えている点だろう。会話の際の表情と素に戻ってリラックスしたそれとの対照は、一つ一つのエピソードに緊張と弛緩の抑揚をもたらしているようにも思うのである。
同監督の「ナイト・オン・ザ・プラネット」程のスケール感のあるヴァリエーションはないが、どこにでも誰の上にでも訪れそうなほんの僅かな時間を映し出して見せる手腕はやはりさすがだ。無茶苦茶若いロベルト・ベニーニや、ケイト・ブランシェットの見応えのある二役も素晴らしいが、イギー・ポップとトム・ウェイツ、HIPHOPのウータン・クランにホワイト・ストライプスという音楽ファンにも必見の強烈な顔合わせによる個性のせめぎ合いの醍醐味、キャストは非常に豪華で魅力的である。ビル・マーレイやスティーブ・ブシェミといったアクの強い俳優も並び、最後まで十分に楽しめてくつろいだ時間を堪能できる作品になっている。各アーティストについては下に詳細情報及びアルバム等のLINKを張っておいたので興味のある人は是非w。
因みに「カリフォルニアのどこかで」はカンヌ映画祭の短編部門最高賞を受賞している。個人的には「ルネ」「」双子」「いとこ同士?」「幻覚」のエピソードが非常に面白かったし、また要所で流れるクールな音楽もツボだった。万人受けするタイプの作品ではないが、ジャームッシュ作品が好きな人にとってはこれほどの至福のひと時もまたないだろう。








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■「コーヒー&シガレッツ」サウンドトラック

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