-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「トンネル」
2005年 12月 08日 (木) 00:32 | 編集
トンネル トンネル

「トンネル」 ★★★☆

DER TUNNEL(2001年ドイツ)
監督:ローランド・ズゾ・リヒター
キャスト:ハイノ・フェルヒ、ニコレッテ・クレビッツ、セバスチャン・コッホ、マフメット・クルトゥルス、フェリックス・アイトナー、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、クラウディア・ミヒェルゼン
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ トンネル@映画生活

1961年に作られ、1989年11月9日に崩壊したベルリンの壁にまつわる実話ベースのフィクションである。

分断された事がない国に住む我々にとって、遠いヨーロッパの「ベルリンの壁」という歴史的な事実の重さをリアリティを持って感じる事のできる貴重な作品だ。

歴史の趨勢によって遭遇した愛し合う者と分たれるという運命。それを自らの手で切り開こうとした人間達の信念の強さ、自由への希求という精神がテーマとして刻まれた感動的なドラマに仕上がっている。
秘密裏に掘削をする苦労、密告、裏切り、そして信頼という、其々の人物が抱える思いの描写も丁寧であるし、後半の脱出成功までのサスペンスフルな展開も見応えがある。イデオロギーの混沌と錯綜の真っ只中にある二つのベルリンを繋ぎとめていたものは、このトンネルに表象されるような細く脆いしかし確かな祖国への思いであったのか。

ただこの作品のどの程度までが完全に事実なのかその脚色の度合いはよく解らない。個人的にはこのような題材であるからこそより事実ベースにドキュメンタリーチックに撮って欲しいように思う。
また東側による国民への弾圧と統制について、また生活の不自由さ等についての言及ももう少し深い描写があっても良かった気がする。145mのトンネル掘削なんていう気の遠くなる作業に彼等を駆り立てたものが「自由」と「愛」の奪還であったならば、そのベースになる苦しみは並大抵のものではなかったに違いなのだから。

167分という長い作品であるが、こういう作品を観ると今我々が住むこの国が、紙一重の運の良さで分断されることのなかった国であるということを気づかされる、そして隣国の38度線を想起せずにはいられない。歴史はその事実と結果だけが後の世に刻まれていくが、その下に封じ込められた人々の悲しみや怒り、そして血というものを決して見逃してはならないことをこの映画は淡々と語るのだ。
DVDにはベルリンの壁の歴史やプロダクションノートが収録されているのでそれも必見。ハリウッドっぽいエンタメになっていないことにも好感が持てる。


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