−大学生の自己中ネタバレ映画評−
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新旧オールジャンルの濃い目の映画感想日記です、解釈分析ネタバレ有り。

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「ファニーゲーム」
2005年 12月 02日 (金) 02:00 | 編集
ファニーゲーム ファニーゲーム

「ファニーゲーム」 ★★★★

FUNNY GAME(1997年オーストリア)
監督:ミヒャエル・ハネケ
キャスト:スザンヌ・ロタール、ウルリッヒ・ミューエ、アルノ・フリッシュ、フランク・ギーリング
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未だ緊張感の無い弛緩し放題の日常を、
そして何の疑問もなく抱く自分だけには不幸は襲ってこないという漠然とした希望的観測を
物の見事に根こそぎぶち壊してくれる、最低最悪、そして最高のメタ映画である。

感想にはネタバレが含まれます。
この作品を観る時には普通の映画に抱くようなヒューマニズムへの期待など一切捨て去る事だ、ハネケはそんなものを描こうとは思ってもいないのだから。救いがない、後味が悪いなどとこの作品を評価した時点で既にハネケの術中に完全にはまっているのである。

まずオープニングのクラシックを切り裂くハードロックで怪しい予感を抱かせ、何の理由もなく理不尽に始まる暴力で観客を不快と恐怖のどん底に叩き落す。ここには常識などは存在しないという不条理感を観る者も共有しつつ快楽殺人というゲームが進行するのだ。
この神経に障る不愉快さは黒沢清監督の「CURE」で荻原聖人と役所広司が交わすあの会話の世界を思い出させる。そして救いのなさで言えば「ウェルカム・ドールハウス」や「ドッグヴィル」のそれにも近い。だが最悪なデッドエンドのロールプレイングゲームに観客も参加させられているような臨場感はこの作品にしかないものだろう。これはまさにあってはならないゲームなのだ、リセット可能なゲームだからこそ「巻き戻し」されるのである。「映画という虚構」と「現実」の狭間で我々はその現実が極めて危ういものであることを知ることになる。

長回しで粘っこく見せる衝撃のシーンといい、子供から容赦なく殺されしかも犯人が舞い戻るという掟破りな展開といい、徹底した嫌らしさを醸成することによってこの映画は現実社会への完璧なアイロニーとアンチテーゼをも表象する。
ピアニスト」と並んでミヒャエル・ハネケという才能にただただ驚かされる作品である。

【追記】
ハネケ監督で正式にハリウッドリメイクが決定したようだ。
母親役はナオミ・ワッツ、犯人役にはマイケル・ピットがキャスティングされている。
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Comment
この記事へのコメント
こんばんは。
私もこの作品観ました〜。

凄い衝撃を受けたとともに、不愉快な気持ちになりましたね・・・(笑)
救いようもないお話です。
ありえないようでありえそうな事件なのでまた怖い。
ジャケからしてなにやら一筋縄ではいかなそうな雰囲気が漂ってますよね(笑)

トラックバックさせてもらいました。
2005/ 12/ 05 (月) 22: 42: 42 | URL | マイコ # -[ 編集 ]
>マイコさん
「オラオラ、不快だろ♪?」ってハネケが言ってそうですねぇw。
気色悪い作品ですが「巻き戻す」という行為で、ヴァーチャルなゲームの感覚を想起させる辺りも面白かったです。
コメント感謝ありがとうございました。
2005/ 12/ 06 (火) 23: 14: 37 | URL | lin # -[ 編集 ]
こんばんわ!linさん!『カリスマ映画論』管理人の睦月です。幾度もお世話になっております!TB&コメントありがとうございました!!
最高に胸クソが悪くなる作品でした(笑)。なのに、大変な秀作でした。
本作品は、いかに観客を憤慨させて不快感に陥れるか・・・ってことが狙いでしょうから、これは見事に目的達成な作品だと思います。この物語のゲームを体感することで暴力の意味を認識できる・・・うーん、実に巧妙な作品ですよね。
では、これからもよろしくお願いします!
2006/ 02/ 09 (木) 22: 38: 22 | URL | 睦月 # -[ 編集 ]
>睦月さん
こんばんは!元気いいっすね!!w
ホラホラ不快だろ?嫌だろこんなの?っていうのがアリアリっすよね。その辺はトリアー作品と共通点があるような気がしました。
<いかに観客を憤慨させて不快感に陥れるか
まさにそうですね、かなり好き嫌いはあると思いますが、作り手の意図は大成功してると思います。
此方こそまた宜しくどうぞ(・∀・)ノ
2006/ 02/ 10 (金) 02: 48: 39 | URL | lin # -[ 編集 ]
子供が最初に殺されるってのも掟破りですよねぇ。
>観客も参加させられているような臨場感
カメラにむかって話すシーンが入った時に、コレめっちゃ感じました。この監督根性悪いなぁ、ってw
2006/ 02/ 21 (火) 01: 45: 28 | URL | baoh # JalddpaA[ 編集 ]
>baohさん
根性悪い(爆
そうですね、だからこの映画は絶対受け入れられないという人も多いと思います。映画で感動して泣きたい人なんかにはもう許せない系の作品でしょうねw卵の会話も相当うざかったけど、巻き戻す、というのがまた普通の映画じゃ考えられない展開で、一度観たら忘れられないですね。
2006/ 02/ 21 (火) 23: 03: 28 | URL | lin # -[ 編集 ]
後味が・・・
こんにちは〜
TBさせてもらいました。
とんでもない映画ですけどセンスの光る作品でしたね。
下手な人が作るとスプラッターホラーになりそうな予感。
実際、悪人ってあんな感じなんでしょう。

貴重な映画だと思います
2006/ 10/ 15 (日) 11: 39: 07 | URL | プランクスター # mQop/nM.[ 編集 ]
>プランクスターさん
こんばんは、どうもはじめまして(・∀・)
後味は悪いですが一生忘れないタイプの作品ですね、仰るように貴重かもしれませんw。
TB・コメントありがとうございました、また宜しくどうぞ。
2006/ 10/ 16 (月) 23: 12: 04 | URL | lin # XHLKTYlo[ 編集 ]
なんかおっかなかったです・・。気味が悪くて・・。なんかすぐそこで殺人を見てるような感じがしましたw監督さんすごいですね!e-343
2006/ 12/ 14 (木) 18: 24: 33 | URL | raionericcis # -[ 編集 ]
>raionericcisさん
はじめまして
<なんかすぐそこで殺人を見てるような感じがしました
きっとごく当り前の日常が急変していくからでしょうね。
犯罪に巻き込まれる瞬間なんて誰も普通は予想がつかない、この映画はそういう恐ろしさを実感させられる怖さがありました。
ナオミ・ワッツ主演でハリウッドリメイクが正式に決まったようですよw ↓
http://www.imdb.com/title/tt0808279/

コメントありがとうございました。
また是非お越し下さい。
2006/ 12/ 14 (木) 23: 53: 58 | URL | lin # XHLKTYlo[ 編集 ]
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