-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「同じ月を見ている」
2005年 11月 26日 (土) 00:00 | 編集
同じ月を見ている 同じ月を見ている

「同じ月を見ている」 ★★★

(2005年日本)
監督:深作健太
原作:土田世紀 「同じ月を見ている」
出演:窪塚洋介、エディソン・チャン、黒木メイサ、山本太郎、松尾スズキ、岸田今日子
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ 同じ月を見ている@映画生活

土田世紀原作のこれまた漫画を映画化。
力技で何とか原作の匂いに近づけようとしているものの全体的に荒っぽく、窪塚演じる鉄矢の心の葛藤と苦悩が胸に響いてこないのは辛いねぇ。

以下感想にはネタバレが含まれます。
キャラクター構築の点では窪塚洋介とエディソン・チャンの主役二人の組み合わせは決して悪くはなかった。線は細いしイケメン過ぎではあるものの、相手の心を知る不思議な能力を持つ純粋で無垢なドンをエディソン・チャンのストレートな視線は実によく体現していたし、窪塚にしても、愛する女の為に医師の道を志しながら旧友への裏切りと憎しみに苦悩するエリートの鉄矢という複雑な人物像を丁寧に演じていたと思う。この二人の対比がきっちり描写され観客に非常に解り易く表現されていたのは良かった、とすれば問題は演出なのではないか。

思うにこの「映画」としての「同じ月を見ている」とは、3人の心の絆を描くと同時にドンというピュアな存在に鉄矢が抱く友情と憎しみを通して、鉄矢自身の心の闘いを綴った物語であると思う。総てを赦し受け入れるドンの存在は鉄矢が持ち得なかった勇気や優しさの象徴となって彼自身の前に立ちはだかり、鏡のように自己の弱さや醜さを投影するものとなっていったのではないか。そしてそれはエミという愛情の対象によって嫉妬や裏切りへと姿を変えて吐き出されたのだ。
だからこそ鉄矢の歪んだ深い苦悩に焦点を当て掘り下げて欲しかった。彼が自身の罪を認め、本当に畏れて憎んでいたのは自分の弱さと醜さだったのだと気づいてドンと再び対峙するその瞬間まで、彼の葛藤がこの映画の根幹となるべきなのである。漫画とは敢えて焦点を変えて鉄矢という人間像の描写に中心に置いたのにも関らず、その部分が希薄な為に鉄矢への共感を生み難い作品になってしまったのは非常に勿体ないし残念で仕方が無い。カメラにしても鉄矢がドンにキレて暴れるシーンは彼の立ち姿ではなくその苛立ちと憎悪、畏れがない交ぜになって奔出するはずだった窪塚の表情を映し出して欲しかったのだ。

またストーリーを走らせる為とは言え「あの状況で何でこうなる?」という脚本のディテールの粗雑さがどうにも目立ち過ぎる。
消火途中素人さんに任せて神隠し状態で忽然と消える消防団、銃撃や殺人事件には何故か介入しない日本の警察、ほぼバックドラフトな火の海に飛び込んで何であんな助かり方なのか(焼けてねぇし)、とか、放火魔の子供のフォローはいきなりの心臓移植で終わりですか?とか、もう限りなくリアリティがゼロに近づく暴走ぶりはやはり褒められたものではないと思う。
しかしながら観客に訴えようとする気迫は感じられた。それが先走ってしまった印象ではあるが、傑作漫画である原作の持つ痛みや哀しみを必死で再現しようとする思いは伝わってくる。表現方法或いは演出面での粗さや物足りなさの点で映画の完成度は高いとは言えないが、作り手の思いを感じさせてくれるという意味では「タッチ」のようなやっつけ仕事的作品に比べたらましだ。深作監督の次回作には期待したいと思う。
で、結局一番美味しい所を持っていったのは「MOONCHILD」や「バトルロワイアル」同様、やっぱり山本太郎だったりするのだw。手術とか金子が死ぬシーンだけがやけにリアルなのはさすが深作親子と言っていいのかな(爆。個人的には心臓病の黒木メイサがベッドから元気良くしかも腹式呼吸で台詞言うシーンが萎え萎えだったが「あずみ」の舞台女優でデビューした人らしいっすね、何となく理解w。

窪塚の復帰作にしては、彼の意気込みや演技が全くスクリーンに映えない演出はちょっと気の毒だったんじゃないかな。


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「同じ月を見ている」オリジナル・サウンドトラック 「同じ月を見ている」オリジナル・サウンドトラック

■土田世紀原作「同じ月を見ている 1 (1)」
同じ月を見ている 1 (1)
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