-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「青い車」
2005年 11月 23日 (水) 02:21 | 編集
青い車 プレミアム・エディション 青い車 プレミアム・エディション

「青い車」 ★★☆

A BLUE AUTOMOBLE (2004年)
監督:奥原浩志
原作:よしもとよしとも「青い車」
キャスト:ARATA、宮崎あおい、麻生久美子、田口トモロヲ、水橋研二、太田千晶、佐藤智幸、上間常弘、曽我部恵一
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ 青い車@映画生活

この映画では心と心が触れ合うという瞬間が訪れない。登場人物それぞれの抱えた思いは皆別の方向を向いてすれ違ったままだ。それはおそらく彼等の孤独や苦悩を映画が恣意的に外側からしか描こうとしていないことに起因する。断片化されたエピソードの中で人物が抱いた心情は置き去りのまま次のエピソードが展開されていくという演出は、作り手の客観的で突き放した視点を感じさせるものだ。だがその結果映画自体はまるで一番傷の深い所に触れることを迷っているかのように、どこか躊躇っているような歯切れの悪さがつきまとうことになってしまったのではないだろうか?

吊るされた自分の死体を見つめる青い心象風景がリチオ自身の迷いと心の傷を投影する。顔の傷と共に傷ついた心は、吐き出せない感情となって鬱々と出口を求め自傷を繰り返すのだ。台詞よりも明らかに映像が勝っている作品なのだが、砂浜のラストシーンで「苦しいよ、チクチクするんだ」というこのみ(宮崎あおい)の言葉に答えるリチオの台詞が酷く切ない。初めてリチオが今までどうしても踏み出せなかった一歩を踏み出した瞬間がこのクライマックスの台詞に込められているように思う。そしてこれが映画の中で唯一の心の重なる刹那でもあるのだ。流されるように生きてきたリチオが守るべきものを見出し、彼自身の意志でこのみを抱き締めるシーンは実に繊細で美しい。

ただ結局エンディングまでこの作品が何を伝えたいのかという部分は曖昧で捉え難い。またリチオという男の抱える闇の背景が明確には語られる事が無いので、観る者のフラストレーションを募らせはぐらかされた印象が残ってもしょうがないのではないか。やりたいことはよくわかるのだが、観客の心に何を訴えたいのかせめてそのコンセプトははっきりさせるべきだったと思う。
これもまた原作はよしもとよしとものコミックの映画化作品、原作の雰囲気には極めて近い作品だ。映画化される数の多さを考えるとそれだけ日本の漫画のレベルが高いということでもあるだろうし、漫画というツールによって絵的なイメージを膨らませ易いということもあるのだろう。今や邦画の救世主なのかな、漫画はw。
元サニーディサービスの曽我部恵一が担当する音楽は、この作品の痛くてそれでいて酷く冷めた雰囲気によく合っていると思う。しかし麻生久美子も色々出てるな。


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■原作コミック
青い車 青い車
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