-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「親切なクムジャさん」
2005年 11月 10日 (木) 02:23 | 編集
親切なクムジャさん SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE 親切なクムジャさん SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE

「親切なクムジャさん」 ★★★

SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE (2005年韓国)
監督:パク・チャヌク
キャスト:イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン、オ・ダルス、キム・シフ、イ・スンシン、キム・ブソン、カン・ヘジョン、ユ・ジテ、ソン・ガンホ、シン・ハギュン
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ 親切なクムジャさん@映画生活
   ⇒ IMDbでTrailerを見る

感想にはネタバレがあります。
「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク監督の“復讐三部作”完結編はドラスティックに映画的。

この映画を観てはっきりしたことは、復讐劇が復讐劇として成立する為には、復讐に到るまでの理由づけとそこにつきまとう苦悩と葛藤という心理描写が相応の説得力を持って語られなくてはならないということである。

以前「復讐者に憐れみを」でも感じたことだが、人を殺したいほど憎み哀しみに暮れる、そんな情動が見えない「復讐」はただの殺人でしかない。苦悶と憤りそして生への絶望が心の咆哮となって噴出する復讐のエモーション、それに裏打ちされない行為に果たして共感或いは理解できるか、答えはNOだ。

本作は無垢で美しいクムジャという女性が無実の罪への復讐の為に豹変してみせるのだが、彼女の内面的な心理描写の部分が実は脚本的に非常に弱いように思う。刑務所で着々と仲間を作っていくエピソード自体はなかなか軽妙に語られて面白いのだが、13年の服役の苦しみや子供と引き裂かれた哀しみが痛いほど伝わってくるかと問われれば残念ながらそれは無い。

また、実際復讐を企て実行に移そうとする人間がわざわざ子供を自分の側に連れてきてしまう展開など、親という立場の人間がする行為にしてはあまりにもリアリティが無さ過ぎないだろうか。さらに言えば子供を殺害された他の人間をも巻き込んで復讐を完遂する行為は、結局彼女の復讐の大儀と対象を曖昧化してしまった印象を受けるのだ。まぁペクへの復讐が、罪の無い親達に殺人の重荷を背負わせるという皮肉な形で完了するのもパク・チャヌク監督一流の不条理さの演出なのかもしれないがw。

今回も復讐方法は残忍だし強烈である。しかし「白」という色をメタファーに「贖罪と救い」が最終的なテーマとなっている為全体のトーンは前2作よりはソフトな印象を受ける。また脚本の展開は「オールド・ボーイ」のような勢いはないものの、ラストシーンまで飽きることなく観客を引っ張る力はさすがと言うべきなのだろう。
そしてやはりエンディングなのだ。復讐では何一つ罪は浄化されない。
罪を罪で贖う哀しみを覆うように真っ白な雪が降りしきる、どこまでもブラックでやりきれない寂寥感に満ちたこのシーンは、監督の復讐三部作というテーマへの拘りを強く感じさせると同時に実に圧倒的な衝撃を我々にもたらすのだ。

結論として本作は映画として観客を楽しませる技巧的な部分は非常に工夫されていると感じる。だが三部作のトリとしての迫力や「オールドボーイ」にあったエンタメ性と勢い、「復讐者~」のこれでもかと積み重ねる悪夢のような復讐の連鎖の無常観等にはやはり及ばなかったようだ。単体で観れば決して悪くはない出来ではあるが前二作と比較するとテーマの希求性またインパクトという点でどうしても弱さを感じざるを得ない、これはちょっと残念だった。
で、見所の一つはイ・ヨンエの演技力。復讐が終わっても尚救われる事の無い魂を痛ましい表情で演じきった彼女の芝居は素晴らしかった。
「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」の主なキャストが出演している辺りもファンには嬉しいところかなw。というかカン・ヘジョンどこにいたんですか(゚Д゚;)


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