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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「スウィングガールズ」
2005年 11月 09日 (水) 01:36 | 編集
スウィングガールズ スタンダード・エディション スウィングガールズ スタンダード・エディション

「スウィングガールズ」 ★★★

Swing Girls (2004年日本)
監督:矢口史靖
キャスト:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太、竹中直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子、谷啓
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ スウィングガールズ@映画生活

極めて通俗的かつステレオタイプな自己実現ドラマ。軽くて見易い、でもそれだけ。

基本的には同監督の「ウォーターボーイズ」と同じティストの作品だ。緩い作風や展開、またかよ、と思わせるストーリー、それでも集客を見込める作品をきっちり作るという才能はやはり尊敬に値する。これは稚拙ながらも率直に一つの達成感への高揚というものを様式的に描くという矢口監督の才能でもあろう。

特に映画の導入部分においてのモチベーションとなるエピソードがなかなか上手い。ジャズなど全く興味のない女子高生がその場しのぎで始めた音楽への思いは、アクシデントに続く吹奏楽部の復帰によって繋がり始めた糸が断ち切られるかのように一気に挫かれる。この展開は彼女達が音楽を始める動機付けに対しての最初のハードルとなっていて観客を惹きつける大きな要素ともなっていると思う。

とにかく肩の力を抜いて鑑賞できる気楽さ、自分にも手の届きそうな幸福、そんな緩さが大きな魅力だ。映画を観る観客側の需要を熟知しているという意味で非常に上手いと思う。まぁだからといって手放しで褒めたいとは全く思わない、練習風景が非常に少ないのにも関らず即時に上達しているのは正直どうかと思うし、プロットとしてはジャズを演奏する場所確保等への時間は長々と費やされる割に肝心な演奏の練習とその上達という点は安易の極致、要は美味しい所取りなのだ。

だが総てはクライマックスの演奏シーンでぶっ飛ぶのである。どれだけ彼女達が練習し或いは苦労したのか、それはこのシーンで総て語らせたとも言える。自分はジャズが別に好きではないが、音楽が語りかける物の普遍性はどんなジャンルであろうと同じだと思う。
テーマとしては結局何かを誰かと一緒に達成する喜びと音楽への愛。青春ドラマとしての深みは全くないのだが、何一つ心を痛めることなくお手軽な爽快感が欲しくて、ちょっといい話的な映画を観たい時には丁度いいかもしれない。

・・・まぁ正直言って自分にとってはどうでもいい系の映画。そりゃ個人的には同じ男の裸、しかもシンクロなんて見るよりはこっちの方が視覚的に幸福ではあったけど、今の邦画がこんな薄っぺらな映画に牽引されているということが情けなくもある。人の胸をかき乱し心に瑕を残す、そんな引っ掛かりの欠片もない映画は消耗品にしか思えないから。


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