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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ほえる犬は噛まない」
2005年 11月 07日 (月) 02:14 | 編集
ほえる犬は噛まない ほえる犬は噛まない

「ほえる犬は噛まない」 ★★★☆

BARKING DOGS NEVER BITE / Flandersui gae (2000年韓国)
監督:ポン・ジュノ
キャスト:ペ・ドゥナ、イ・ソンジェ、コ・スヒ、キム・ホジョン、キム・ジング、ピョン・ヒボン
   ⇒ 公式サイト
   ⇒ 吠える犬は噛まない@映画生活
   ⇒ Trailerを見る(WMP)

「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督が、後に「復讐者に憐れみを」「子猫をお願い」でブレイクするペ・ドゥナをヒロインに迎えて撮った劇場映画デビュー作である。
奇妙なシュールさとコミカルさを兼ね備え、サスペンスタッチで犬失踪事件の謎とそれに関る人々のドラマを描いた作品。犬を可愛がる人間と疎ましく思う人間、或いはそれを喰らう人間、たった一匹の犬によって繋がっていく平凡な人々の人間模様から、この物語はどこか満たされないままに生きる彼等の心の中に開いた小さな穴のように人生のやるせなさと現実の厳しさを映し出すのだ。
エンディングの曲の冒頭も原題も「フランダースの犬」(爆死w。
皮肉たっぷりの味付けで韓国のリアルな今が浮かび上がるという何とも味わいのある悲喜劇となっている。
立場の対照の構図がキャラクター面でも映像面でも非常に面白いので、緩いストーリーではあるが飽きずに観られる。教授のポストの為に金を工面する不器用な男の苦悩と鬱屈、それに対してペ・ドゥナ演ずる少々調子のいいヒロインの快活さと爽やかさ。そして犬を虐待していた男が飼い犬を必死に探し回る、或いは犬殺しの犯人を追いかけていた女が今度は逃げ惑う、そんな逆転や対照の演出の上手さは「殺人の追憶」にも繋がるこの監督独特のセンスと言っていいのではないだろうか。
ただし犬の失踪の謎がどう本編のドラマと絡むのか途中まで展開が読めない分だけまだるっこしいので、単純なサスペンス等を期待して観るとおそらく理解し難い作品だろう。だが、「この国は規則を守らない国だ」という表現に示されるように甚だ時代風刺的ではあるが、そんな国に生きる人々の現実を揶揄するでも否定するでもなくこうもあっさりと痛快に描き出す技量はやはりさすがと言うべきか。手を汚してしまったユンジュと、晴々と森を行くヒョンナムの表情の明暗で迎えるエンディングも暗さはないがじわりと余韻が残る。流れるジャズのBGMも絶妙、魅力的な作品だ。

まぁ犬の鳴き声とかピアノの音とか気になる人は無性に気になるものらしいっすね。
しかし「安全に管理されています」と断わりつつ犬にあんなことやこんなこと・・・というか、食うなよ!(泣・・・(まぁこういう感想をとりあえず言いたくなるわけで ( p_q)


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