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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「バタフライ・エフェクト」エンディングについて
2005年 10月 25日 (火) 00:00 | 編集
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション

「バタフライ・エフェクト」エンディング

劇場公開版についての感想は此方です。⇒ バタフライ・エフェクト

↓ 以降完全ネタバレなので続きを読む際は要注意。
■劇場公開版エンディング
精神病院に収容されたエヴァンが過去のホームビデオによってケイリーとの最初の出会いのパーティの時点に戻る。彼女に「決して近づくな」と告げケイリーと共に生きる未来を消去し、修正された現在に戻った後でレニーと総ての日記を処分して二度と過去干渉を行わないことを選択する。ラストシーンでケイリーに出会うが声を掛けることなく別れる。Oasisのエンディング曲が流れる。

■DVD封入の別エンディング(ノベライズはこの2らしい)
1.Stalker Ending
ラストシーンでケイリーと遭遇したエヴァンがその場では話しかけないもののケイリーの後を追って行ってしまうヴァージョン。

2.Happy Sappy Ending
同じくラストシーンでケイリーと遭遇したエヴァンが振り返って彼女に声を掛け誘う。彼女と今後つき合う未来を予感させて終わるヴァージョン。

■ディレクターズカット版エンディング(セルDVDのみ封入)
精神病院に収容されたエヴァンが最後に戻る過去がオリジナルと違う点。
彼が戻るのはまさに出産時の母親の胎内、其処で彼は自らの臍の緒を首に巻いて生まれること自体を拒否する。この後母親やレニー、ケイリー達の幸福な未来の映像がラッシュで流れ、バタフライ・エフェクトメインテーマと共にケイリーの笑顔でエンディング。

この当初のディレクターズカット版は非常に悲劇的な結末の為、興行との兼ね合いが論議され劇場版に修正されて公開されてしまったようである。
「もし誰かがこのメモを見つけたならそれは僕の計画が失敗した証拠、その時僕は死んでいる。でももし僕が最初に戻れたらその時はきっと彼女を救えるだろう」
このプロローグのくだりを憶えているだろうか?
エヴァンが精神病院で最後のトリップをする直前に急いでメモ書きしたあの部分である。
メモ書きはディレクターズカット版の本来彼が生まれて来ない道を選択することによって、完全に「消滅」するはずの存在である。メモを誰も発見しなければ即ちメモが存在する未来自体を消す(上書きする)ことにエヴァンが成功したと言えるのだが、戻る「最初」が劇場版とディレクターズカット版では全く違うということだ。
この伏線の「最初」とは、ディレクターズ・カット版でエヴァンが戻るあの時点でなければ本来は映画のテーマ性と矛盾が生じてしまうように自分は思う。作品の本来のテーマは、エヴァンという男が愛した人々の未来を救う為の至上の愛の選択だったはずだ。エンディングでは彼等が出会う事によって訪れる不幸を封じ込める為の最終手段が描かれなければこのテーマは決して完結しない。その意味ではエヴァン自身が存在しない未来を作り、過去干渉の可能性を完全消去するこの結末こそ理に適っていると思う、エヴァンにとっても観客にとっても限りなくバッドエンドではあるのだが。

DVD封入の別エンディング等ははっきり言って問題外。劇場公開版にしても、ケイリーと出会い愛し合う未来を完全に否定する物ではない。カオス理論を象徴とするならば、ケイリーとエヴァンの未来が交錯する僅かな可能性ですら残してしまえば完全な未来の修正には到らないだろう。公開版は残念ながらその帰結の甘さは否めないし、映画はやはり公開された本編が総てだと思うので、個人的には非常に残念だ。

但しこのディレクターズカット版でも実は逃げ道がある。それはエヴァンの父親の存在だ。父親にはエヴァンと同じ過去干渉能力があったことがいくつかのシーンで匂わされている。(祖父まで気が変になって死んだという描写もあり、この能力はどうやら遺伝的なものらしい)
ラストではエヴァン死産後どうやら父親と離婚した母親が再婚して出産したようなシーンがあるが、カオス理論から考えても、二人が別れる前に父親はエヴァンが死なないで生まれてくるように過去干渉をすることも不可能とは言えないはずである。するとまたエヴァンが生まれて・・・(爆。
まぁここまで考えると父親か祖父の能力を消去する時点まで遡るのがベストなのか(ワラ。
というわけでレンタルDVDだけじゃなく是非ディレクターズカット版のご鑑賞をお薦めしますw。


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