-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「猟人日記」
2005年 10月 17日 (月) 02:20 | 編集
猟人日記 猟人日記

「猟人日記」 ★★★

YOUNG ADAM (2003年イギリス/フランス)
監督:デヴィッド・マッケンジー
原作:アレグザンダー・トロッキ「ヤング・アダム」
キャスト:ユアン・マクレガー、ティルダ・スウィントン、ピーター・ミュラン、エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン、テレーズ・ブラッドリー、ユアン・スチュワート、スチュワート・マッカリー
公式サイト

主人公のジョーという男は総ての男の牡としての欲望であり堕落である。
原題は「ヤング・アダム」。ジョーは聖書の中の未だ楽園に生きる愚かなアダムが実体化されたような存在として描かれ、女の腕に身を任せて彷徨する。自らが死に追いやった一度は愛した女の水死体に触れるという行為によって男の中の何かが弾け飛んでしまったのだろうか。それが煩悩の箍(たが)であったのか、楽園の禁断の林檎であったのか、そこから彼はさらに貪るような欲望の淵に嵌まり込んでいくのだ。
舞台は50年代のイギリス、グラスゴー。寒々とした寂れた浜辺に女の死体が流れ着くというショッキングなシーンから物語が始まり、延々と生々しい、しかし冷え冷えとしたラブシーンが繰り広げられる。曇天のイギリスの茫漠とした風景をバックに、現在の描写と謎の水死体に秘められた過去とが入り混じって奇妙な味わいのあるドラマとなっている作品だ。
映画はこの非道な男の苦悩や悔恨という側面を描き出すということに腐心するのではなく、むしろ男の欲望の奔出とそれが結果的にもたらした罪の不可逆性、あるいは男の弱さを描いて終局を迎える。彼の愚かな行為を映した鏡もまた、死んだ女のように総てを背負って沈黙したまま海に投げ捨てられるのだ。女を玩具のように乗り換え、罪なき者を冤罪に陥れ都合の悪いことは総て海に沈めて生き永らえる、これが男の幸福であるのか否か?法廷で見せるジョーの複雑な表情に垣間見える空虚さ、それこそが本作のクライマックスであるように感じた次第だ。

ゆっくりと運河を船が行く映像が非常に美しい、ストーリー自体はとんでもなく酷い話なのだが意外に良かったと思えたのはあのイギリスっぽい陰鬱で灰色な空気とミステリアスな演出による所もあるかもしれない。(かと言ってジョーという男を肯定するわけではないけどねw)
ユアンがそれはもうモテまくってやっぱり皆ジェダイが好きなんだなと再認識する映画では全然ないのでご注意の程w。本作ではかなり生々しいオバちゃんとなって登場するティルダ・スウィントンだが「コンスタンティン」のイメージとは強烈に違う、変われば変わるもんだな。

 猟人日記@映画生活

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■原作:アレグザンダー・トロッキ「ヤング・アダム」
ヤング・アダム
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