-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「殺人に関する短いフィルム」
2005年 10月 16日 (日) 08:48 | 編集
キェシロフスキ・コレクションIII 「愛に関する / 殺人に関する短いフィルム」セット キェシロフスキ・コレクションIII 「愛に関する / 殺人に関する短いフィルム」セット

「殺人に関する短いフィルム」 ★★★★

Short Film About Killing (1987年ポーランド)
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
キャスト:ミロスワク・バカ、クシシュトフ・クロビシュ、ヤン・テサシ

殺人を殺人で裁く矛盾。
些細な悪意に支配され衝動的に殺人を犯した青年、エゴイスティックなタクシー運転手、最初の仕事として彼等の事件を担当する事になった若手弁護士、3人の男達の運命が偶然の出来事で交錯する「アモーレス・ペロス」の如く構成によって「殺人という暴力行為」が暴き出される。
冒頭の断片的な情報と深いグリーンに褪色したドキュメンタリー風の暗い映像が作品の不穏な空気を醸成し、妥協を許さない冷徹なリアリズムに貫かれたストーリーは衝撃的ですらある。
しかしながら本作は「デッドマン・ウォーキング」のような懺悔や贖罪という宗教的なアプローチによる死刑制度の是非を問う作品とは異なって、ただただ二つの殺人の対比によって現実の暴力性を鮮烈に提示するものだ。青年の犯した残虐な殺人と、法の下に下されたとは言え非常に暴力的な死刑という殺人、「殺人」という行為の重さを純粋に問い掛けるという意味で、極めて問題意識に富む作品であると言えよう。
犯罪への懲罰が抑止力を持たないという序盤の弁護士の台詞が、青年の衝動的な残虐性の描写によって生きてくる。
テンポは冗長であるがフィルターをかけた凝った映像による演出はその陰鬱で殺伐とした世界観を見事に構築している。「愛に関する短いフィルム」同様、根源的な人間の本能と真理の追究に腐心した秀作だと思う。ハリウッド的なドラマティックな演出はここにはない、だが描かれたテーマはより明確な方向性を持ち得て我々の心に迫って来るのだ。


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■同監督他作品の感想
愛に関する短いフィルム ★★★☆
トリコロール/青の愛 ★★★☆
トリコロール/赤の愛 ★★★★
トリコロール/白の愛 ★★★☆

■クシシュトフ・キエシロフスキー監督作品
トリコロール/白の愛 トリコロール/白の愛

トリコロール/赤の愛 トリコロール/赤の愛
 
トリコロール/青の愛 トリコロール/青の愛

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