-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「アンダーグラウンド」
2005年 10月 09日 (日) 20:20 | 編集
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アンダーグラウンド アンダーグラウンド

「アンダーグラウンド」 ★★★★★

UNDERGROUND (1995年フランス/ドイツ/ハンガリー)
監督:エミール・クストリッツァ
キャスト: ミキ・マノイロヴィッチ、ミリャナ・ヤコヴィッチ、ラザル・リストフスキー、スラヴコ・スティマチ、エルンスト・ストッツナー、スルジャン・トドロヴィッチ

ネタバレ有り
旧ユーゴスラヴィア紛争と動乱の歴史を、ナチス侵攻・チトー政権の束の間の平和・分裂という3つのエピソードからクストリッツァ独特の圧倒的な喧騒とハイテンションで描き出した作品。

地下に作られた偽りの世界と全篇通して続けられる騒々しい馬鹿騒ぎによって、前半までは反戦コメディ映画の様相を呈する。しかし後半の内乱への進展により、映画を彩っている戦時下にもかかわらず相も変らぬ男女の愛憎痴話劇や下世話な会話、日常の猥雑というものが、逆に戦争によって剥き出しになった人間のエゴイズムと同居するものであることに突然に気づかされるのだ。戦争があろうと何があろうと我々は日々を暮らさねばならない。そして動き出した歴史の歯車を止められないもどかしさと無力に呆然とする。

もしこれまでに観た映画の最も印象的なラストシーンの一つを想起するならば自分は間違いなくこの作品のエンディングを挙げたいと思う。
愛する者を自らの手で葬るという戦争の冷酷な現実から反転する、まるで理想的で明るい和解の宴席、それは叶えられることのなかった夢であり、やがて宴席は分断されドナウの川面に漂っていく。
チトー政権崩壊後失われてしまった祖国ユーゴへの限りない思い、そこに生きた無数の魂への愛情、鎮魂。それにも増して祖国を分裂に到らしめた戦争と人間の愚行への憤りと皮肉。
  こうして人は生きて死んだのだ。
  こうして人は繰り返すのだ。
ゆっくりとドナウを彷徨う宴席は祖国に抱き続ける思いなのだろうか、あるいは祖国に失われた未来なのだろうか。

様々な悲惨な映像を持つ戦争映画は世の中に溢れている。しかしこの作品が素晴らしいと思うのは、戦争というモチーフによって焙り出される人間のエゴをブラックなティストで巧妙に描きつつも、繰り返される蛮行の下に生きる人間の存在自体は決して否定しないことである。どんなに愚かであろうと愛して止まない、それがクストリッツァにとっての祖国であり人間であるのかもしれない。
「この物語に終わりはない」
エンディングの言葉は全く皮肉であるが、歴史の中でどう生きるべきかを静かに、しかし実に力強く我々に語りかけてくるのだ。
95年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品、凄い作品です。(2003年初回鑑賞)

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