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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「CASSHERN」
2005年 08月 24日 (水) 10:13 | 編集

CASSHERN

「CASSHERN」 ★★☆

CASSHERN(2004年日本)
監督:紀里谷和明
キャスト:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明、寺尾聰、樋口可南子、及川光博
公式サイト

 まず説明不足で不親切な映画だとは思う。キリヤさんは映画を観る人間が皆が皆想像力豊かで映像に足りないものを補いつつ好意的に観る、そんな観客ばかりではないということを考えた方がいい。細切れ状態のストーリーを繋げて補う映像も言葉も足りない。従って意味不明と感じる人が多いのは仕方がないだろう。
 エピソードの一つ一つを接続すべきシーンの欠落と説明不足のプロット。観客が疑問に思う肝心なところを見せないままのこの演出脚本は、観念的な映画でやるならまだしもSFアクションを絡めたこの手の作品には致命的だと思うのだ。

 で、ここまで説明不足なのにも関わらずだ。ラストでは何であえて薄っぺらで陳腐な平和主義的セリフを冗漫にたたみ掛け、役者に言わなくてもいい言葉を言わせてしまったのだろう。どう考えてもあの映像と展開なら役者の言っている言葉は黙っていても観客の心の中に浮かんでくるものだと思う、今思ってたのに言うなよ!って感じです(ワラ。この辺も限りなく自己満な臭いがするんだよね、折角感動しようとしている観客から美味しいところを奪っちゃう、みたいなw。
 悪く言えば自主製作映画のノリに近い自慰的な映画というか。

 ナルシズムな匂いがする破滅的で悲劇的な近未来のヒーロー像とシンプルな反戦メッセージというコンセプトは悪くないだけに、脚本の破綻が残念なところだ。(この辺の「人じゃないモノ」の話は「ブレードランナー」「A.I.」でも若干触れたが)

 映像面ではさすがにCG大好き監督だけあって非常に面白かった、酔いそうだったけど。(戦闘シーンにはサブリミナル効果でも使ってるのかな)
 それと監督が意識したらしいが、明らかにEVA(新世紀エヴァンゲリオン)っぽい表現が随所にあった。どう見ても途中パクリましたね?なシーンも多いしその世界観自体もよく似ている、似過ぎだ。皆さんEVAチェックして下さいねw。
 言っておきますがEVAの場合「人のカタチ」「自分と他人の境界」という概念を追う部分においては非常に明確なものがあるし、構成的に少なくともエピソードの繋ぎがあそこまで破綻するということはない。(ま、説明なしで謎だらけな想定に観客が限りなく置いていかれるという点では「CASSHERN」と一緒な世界ではあるけれども 爆w。)

 あ、でもダメ映画かもしれないが嫌いじゃないです、実は大好きな部類で(爆。完成度は低いけど観客を惹き付ける力はあるし、監督のやりたいことはそこらの邦画より十分に伝わってくると思うので次回作に期待したいと思う。

余談
作画のスタッフ(バトルシーンコンテ)にガイナックスの樋口真嗣氏がしっかり入っていた・・・そりゃEVAに似ててもしょうがないよなぁ(爆。
で、このサントラに収録されているTHE BACK HORN の「レクイエム」がなかなか良かった。
   ⇒ PV試聴①は此方PV試聴②は此方。一部音源試聴はココから。(注:爆音ですw)
【2004.10.18】



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