-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「神に選ばれし無敵の男」
2005年 09月 25日 (日) 00:16 | 編集
神に選ばれし無敵の男 神に選ばれし無敵の男

「神に選ばれし無敵の男」 ★★★☆

INVINCIBLE (2001年ドイツ/イギリス)
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト:ティム・ロス、ヨウコ・アホラ、アンナ・ゴウラリ、ウド・キア、マックス・ラーベ、ヤコブ・ウェイン、グスタフ=ペーター・ヴェーラー

内容にはネタバレを含みます。
1932年のドイツで出会った実在した二人のユダヤ人の運命を描いた物語、宗教観の濃い歴史物だ。
主人公はナチスの野望に自らの人生を重ね合わせた千里眼のハヌッセンと、ユダヤ人であることを隠さなかった屈強の男ジシェ、果たしてどういう活躍を見せてくれるのか激しく期待したところで彼等の物語は唐突に終幕を迎えてしまう。当然ヘルツォーク作品であるということと、この魅力的な邦題「神に選ばれし無敵の男」に惹かれて観たのだが、内容はまもなく訪れるユダヤ人迫害の未来を予見させるという非常に象徴的なものになっている。
原題の"INVINCIBLE"とは「無敵の」という意味。
この作品の中では、「世の苦しみを担わせるべく神が選んだ正しき者」即ち「殉教の恩恵を授かった者」という意味らしい。ハヌッセンの死はヒトラーによる迫害の始まりを象徴し、またその死から民族の危機を感じたジシェは殉教者の如くにその運命をユダヤ人存亡の為に投げ出すことになる。云わばハヌッセンの先見的な能力がジシェに受け継がれたかのような展開だ。皮肉にも人々の心を奪うカリスマであった点においてはヒトラーとも共通するものであり、彼等の未来を見通す力はもしかしたら時代の流れを変え得るものであったのかもしれない。しかし時代の趨勢はその正しき殉教を許さなかったと言うべきなのだろうか。それともこれが殉教の死そのものなのか。自分は旧約聖書関係には疎いのでこの辺の理解不足が残念なところだ。いずれにしても歴史の強大なうねりを感じさせる寓意的な作品に仕上がっていることは確かだと思う。
で、ハヌッセンの話だと思い込んで観たわけですがね(笑)、個人的にはハヌッセンの話にしてくれた方が絶対面白かったのではないかと思うw。
題材はユダヤ人側から見た歴史物というなかなか新しい切り口であるが、映画らしいドラマ性に多少欠けることと冗長にしてクライマックスというもののない展開で、訴えたいテーマも把握し難いことは事実だろう。正直かなり考えてしまった(爆。また思わせぶりな長回しのシーンが多々あるのにも関らずそれ等がストーリーの中で有する必要性も曖昧だ。作品を観て最初に感じる掴み所のなさは、ヘルツォーク作品という過度な期待による失望からだけ生じるものではない。
しかしエンディングは非常に印象的で心に残るものだ。おびただしい真っ赤なカニの大群と少年の飛翔、蹂躙されるユダヤ人達と神に召される姿とでも解釈すればいいのか。難しいが深いテーマを包含する作品だと思う。

カニ観て ヒィ マグノリア再び?と思ったことはヒミツ(・∀・;)b。

 神に選ばれし無敵の男@映画生活
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