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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「白いカラス」
2005年 09月 19日 (月) 00:58 | 編集
白いカラス Dual Edition 白いカラス Dual Edition

「白いカラス」 ★★☆

The Human Stain (2003年アメリカ)
監督:ロバート・ベントン
原作: フィリップ・ロス 『ヒューマン・ステイン』
キャスト:アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズ、ウェントワース・ミラー、ジャシンダ・バレット、アンナ・ディーヴァー・スミス、ミリー・アヴィタル


汚点の告白がテーマである。
この映画の場合はアメリカ社会が抱える人種問題と過失へのPTSD。
主人公二人が心の片隅に隠蔽し続けた自己の真実に向き合って、お互いを認め合い魂が解放に向うというストーリーだ。言い換えれば、他人が見る自分という一つの「虚像」と自分が見る自分との乖離に対する葛藤と苦悩を描いた作品でもある。しかもその苦悩は社会の価値観によって拘束されるが為に一層深いというわけだ。男は偽りに疲弊し最期の愛と出会ったことによって告白に臨む。

展開が非常に平坦で全く盛り上がりに欠けるドラマであるがテーマは深くセンシティヴな問題を含んでいると思う。人種問題が持つ根の深さが日本人である我々の想像以上であることにも驚かされる。

だが心の解放への軌跡を描いた作品としては優れているのかもしれないが、傷の舐め合い的な沈鬱なストーリーとテンポの冗長さによって、魅力的な映画と絶賛することは正直難しい。また、ラブストーリー偏向に仕上げられているせいか主要人物の苦悩の掘り下げが足りない所も疑問を感じる部分だろう。ストリップシーンとかサービスなんですかね?楽しいけど別にいらねーなw(爆死。
特にニコールはキャスティングとしてどうなのか、この役に彼女である必要性は全く感じられない。
原題はThe Human Stain、人間の傷。
アメリカの歴史を背負ってしまったような主人公がどうにも切ない作品だが、作品自体もやるせない出来だ。あるんだよね作品自体はやけに重々しいのに駄作ってのは。

 白いカラス@映画生活

■原作
Human Stain, The Human Stain, The
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