-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「存在の耐えられない軽さ」
2005年 08月 29日 (月) 02:40 | 編集
存在の耐えられない軽さ 存在の耐えられない軽さ

「存在の耐えられない軽さ」 ★★★★

The Unbearable Lightness Of Being(1988年アメリカ)
監督:フィリップ・カウフマン  
キャスト:ダニエル・デイ=ルイス、ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、デレク・デ・リント、エルランド・ヨセフソン、パーレル・ランドフスキー、ドナルド・モファット

感想にはネタバレが含まれます。
1969年の「プラハの春」をモチーフに描かれた長尺物。
とりあえず歴史の勉強から行きますか・・・(爆。

「プラハの春」
1968年にチェコスロヴァキアで起こった改革運動。
「人間の顔をした社会主義」を目指したこの運動に対して反動を強めたソ連を中心とするワルシャワ条約機構軍は、1968年8月20日チェコへの軍事介入を行った。その結果チェコ指導者であったドプチェク第一書記はモスクワに連行、チェコにおける自由化の動きはここで完全に押さえ込まれることとなる。


改革の息吹に沸きかえっていたプラハで、自由が踏み躙られていく激動の時代に生きた男女を鮮烈に描き出した作品。

"人生は私にはとても重いのにあなたには軽い"
相手の愛情の深さへの不満、愛し方の違いを表すまさに表題通りのテレーザの台詞だが、最終的には「存在の耐えられない軽さ」とは逆説的に「何者にも替え難い存在の重さ」であったように思う。イデオロギーに抹殺される市民の理想、唐突に人生を終える二人、あまりにも矮小だがそれ故に愛しく気高いものがあるように、この作品の根幹にあるテーマは「価値観と誇り」ではないかと感じる。体制に対して、愛する物に対して如何なる価値観を持ち其々の人生を生きるべきか、だからこそこの作品は裸&SEXオンパレードだろうが全く嫌らしさがないのだろう。

印象的なシーンは闇夜を破るワルシャワ条約機構軍の戦車の隊列だ。プラハの美しい街の日常にあまりにそぐわない光景に思わずぞっとさせられる。実際のプラハの映像とモノクロのハンディカメラによる映像とが侵攻をリアルに物語り、作品に厚みを持たせる非常に効果的なシーンとなっているように思う。第二次大戦後から60年という時間は、ヨーロッパにおける社会主義がその終焉に到る激動の時代でもあったのだ。イデオロギーの変革とその支配に振り回されるのは常にそこに生きる民衆であり、押し付けられた思想に魂を売り渡さなければならなかった人間が一体どの位いたのか?、ほんの数十年前の事実の重さを感じずにはいられない。本作は時代に翻弄されながらも決して消える事のない情熱、そして自由への希求と渇望をその根底に改めて感じさせられる作品でもある。

173分と長い作品だが少しも長さを感じさせない。それは脚本が素晴らしいことも勿論だが、例えばトマシュが愛したサビーナとテレーザの非常に対照的な人物描写でも解るようにキャラ立てが非常に際立っていることと、役者の瑞々しい演技に拠るところが大きいだろう。
戦乱の中でもそれぞれの愛し方を貫き続ける男と女の鮮烈な生き様はかくも潔く美しい。そして軽やかで美しい音楽に乗せて劇的に迎えるエンディングに我々は心を打たれるのだ。
心から愛せる人に出会えた人間は幸福だ、ダニエル・デイ=ルイスが見せる至福の笑顔に言葉を失うラストシーンである。

そして本題(違。
ダニエル・デイ=ルイスの"Take off your clothes."は最高だったが、可憐で純朴なジュリエット・ビノシュの腋ボーボーにもある意味感動した。で、やっぱりレナ・オリンの彫像のような惚れ惚れする裸体は必見かと。ま、皆当然のように素晴らしく若い(アタリマエ。 しかしこれだけSEXシーンが多く浮気しまくり男が登場するのにも関らず、だ。愛欲ドロドロな印象もなく全然エロくない映画だったことにも改めて驚く。役者の魅力を十分に引き出し、「プラハの春」という時代のうねりを鮮やかに描いた秀作だと思う、お勧めです、長いけどw。

 存在の耐えられない軽さ@映画生活

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