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■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2005年
08月
29日
(月)
19:03 |
編集

「DV ドメスティック・バイオレンス」 ★★★
(2004年日本)
監督:中原俊
キャスト:遠藤憲一、英由佳、高野八誠、中原和宏、高橋かすみ、山本浩司、松田祥一、三上真史、でんでん、りりィ、小沢和義
公式サイト
最近社会問題としても取り上げられる事の多いテーマだが、本作はある夫婦のケースについて丁寧に描いた作品だ。
DVが持つ傾向やDVへの一般的見解・現状等の描写も非常に興味深いし作品としての完成度も高いと思う、素直に「DV」についての勉強をさせて貰ったという感じかな、痛いです、凹。
以下勝手に自分が思った事。
そもそも人間は弱い者を傷つけたくなる衝動を持ち合わせているものなのだろうか?暴力とは自らの力を誇示し相手を支配して蹂躙することだ。そして暴力は新たな暴力の火種になってしまう。
男の自分が思うのは、このような作品は男が観ないと意味がないんじゃないだろうかということだ。人間の中に暴力に走る側面があるならば誰にでも起こり得ることなのかもしれないし、男の方が制服欲や支配欲が強いと一概には言えない。だが子供を産む機能を持たない性は力の論理に走りやすい傾向があるのかもしれない。夫婦や恋人の関係に本来はあっていいはずがない暴力の介在、その原因は何なのか、原因の客観的な究明がなければ根本的な対策を打つのは困難だろう。
結局本作の場合は「虐待が虐待を生む」という暴力の連鎖の問題に行き着く。最近観た「ターネーション」や「モンスター」でも虐待が扱われていたが、社会の最小単位である家族関係の歪みが犯罪や問題行動に影響を及ぼすという所謂幼児虐待や性的虐待(多重人格との関連が指摘されている)の問題にリンクする結論になっているわけだ。勿論それだけがDVの要因ではないだろうが、この病巣は想像以上に根深く宿っているのかもしれない。
夫側のDVに到る心理状態をもう少し突っ込んで欲しかったのと、結末の曖昧さが気になったが、まぁエンディングは映画的な面白さを狙ったのかなw
痛い描写が多いので観て気分のいい映画ではないが、主役の二人は迫真の演技で実に生々しい。問題提起的な意味ではなかなか意義のある作品であることは確かだと思う。
【パソコンにライブカメラ繋いだのは気合入ってたけども、ラストは誰に呼ばれて振り返ったんだろうか、ヤバそうな終わり方でこれまた鬱】
■参考:DV防止法

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