-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ターネーション」
2005年 08月 29日 (月) 18:59 | 編集
Tarnation (2003) (Full Dol) Tarnation (2003) (Full Dol)

「ターネーション」 ★★★★

TARNATION (2004年アメリカ)
監督:ジョナサン・カウエット
キャスト:ジョナサン・カウエット、レニー・ルブラン、デヴィッド・サニン・パス、ローズマリー・デイヴィス、アドルフ・デイヴィス
エグゼクティブ・プロデューサー:ガス・ヴァン・サント、ジョン・キャメロン・ミッチェル
公式サイト

思わず拒絶してしまいたくなる混沌とした映像のコラージュ、だがまるで侵食されるかのように心の深い所に突き刺さって離れない。
これは自分自身と母親への、拒絶と許容そしてアイデンティティーの再構築である。

主人公は「離人症」という病を抱えゲイでもあるジョナサン・カウエット。本作は自らを切り刻んで作ったと言うべきドキュメンタリーである。
家族という決して切り捨てる事のできない呪縛の中で、自分という存在をあらゆる方向から問い続ける恐ろしいまでの切迫感、観客はこの余りにも鮮烈で生々しいアメリカの申し子にただ絶句するしかない。
言い換えれば膨大なセルフポートレイトによる赤裸々な自分史でもあり、まるで合わせ鏡のようにジョナサンと表裏一体の存在である「母親」への思いを投影した作品でもある。最も愛する者が狂気に病み壊れていく哀しみと、それでも尚愛さずにはいられないという「血」の繋がりをリアルにカメラに収め、ルーツを辿ることによって再確認するのは結局ジョナサン・カウエット自身。ナルシズムを感じさせられる要素も大いにあるものの、こんなに辛辣で反吐が出るほど気持ち悪くて、それなのに切ない映画に出会うことはなかなかないと思う。
揺れるカメラと切り貼りされた荒い映像の早回し、鼓動のように心をかき乱す音楽、詰め込まれた情報量の多さに辟易しつつも、何故ここまで醜さも汚さも曝け出さなければならなかったのかと感じずにはいられなくなる。危うく崩れそうなジョナサンの心のバランスを必死に繋ぎとめているかのように映し出されたポートレイトの数々はまさに壮絶だ。精神を病む者の歪んだ家族関係の風景が心に痛い。

"ターネーション"とは、「天罰、破滅、地獄に落ちる、永遠の断罪」を意味するそうだ。
数十年の時間を超えて寄り添ったレニーとジョナサンのラストシーンに、彼を産み落とした母親という存在の重さを改めて感じると同時に、家族という閉じられた社会が人間の原点であることを思わずにはいられないだろう。
表現方法が極めて特異であるし、オーソドックスな映画の手法とは全く異なっている為おそらく評価も好き嫌いも明確に分かれるに違いない。だが映画というものに抱いていた概念を覆されるような作品でもある、もし機会があったら是非多くの人に観て欲しい作品だ。全編をiMovieで編集し製作にはビデオテープ゚と材料費で何と218ドル32セントしかかかっていない超低予算映画であることも注目w。
しかしジョナサン・カウエット最初にここまで壮絶な映画撮っちゃって次はどうするんだろうか・・・。

【参考サイト】
   ■離人症
   ■統合失調症
   ■電気ショック療法
   ■PCP

 ターネーション@映画生活

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