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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「黒猫・白猫」
2005年 08月 29日 (月) 18:03 | 編集
黒猫白猫 黒猫白猫

「黒猫・白猫」 ★★★★

CHAT NOIR, CHAT BLANC(1998年フランス・ドイツ・ユーゴスラビア)
監督:エミール・クストリッツァ 
キャスト:バイラム・セヴェルジャン、スルジャン・トドロヴィッチ、ブランカ・カティチ、フロリアン・アイディーニ、ザビット・メフメドフスキー、サリア・イブライモヴァ、サブリー・スレイマーニ

アンダーグラウンド」発表後のメディア攻勢に辟易して、もう映画は撮らないと宣言していたクストリッツァ監督の復帰作品であり、水辺で暮らすジプシーの生活を生き生きと描き出した破天荒なコメディーだ。

借金のカタに息子を結婚させる破目に陥った間抜けな男とその周りで繰り広げられる超ドタバタのハイテンション喜劇。
ちょっと日本人からは想像出来ない生活感覚と、映画全体が醸成するエキゾチックかつあらゆる点で過剰過多な雰囲気には全く圧倒される。前半はいかにもヨーロッパ映画的にダラダラな展開で死にそうに眠かったのだが、後半は怒涛のテンポで急展開の連続、あまりの馬鹿馬鹿しさにかなり笑わせてもらった。効果的に挿入される音楽も実に印象的で、喧騒の中で大真面目に生きる人間達を何とも暖かく大らかに包み込む。

「アンダーグラウンド」のようなシニカルな悲劇的なティストとは違った作品だが、人間の愚かさやちっぽけな生き様を決して否定することなくあるがままにフィルムに写し撮る姿勢や、普通じゃなくハイテンションな躍動的描写はやっぱりクストリッツァの作品そのものだと思う。
ほとんど素人を使ったというキャストの豊かな表情も素晴らしいし、一緒に踊り出したくなるような猥雑な幸福感に酔いしれる、そんな映画です。
1998年ヴェネチア国際映画祭監督賞受賞作品。


 黒猫・白猫@映画生活

■同監督他作品の感想
アンダーグラウンド ★★★★★
SUPER8 ★★★
ライフ・イズ・ミラクル ★★★☆

■サウンドトラック
黒猫、白猫 オリジナル・サウンドトラック 黒猫、白猫 オリジナル・サウンドトラック

■クストリッツァ監督作品
アンダーグラウンド アンダーグラウンド

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