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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ファーゴ」
2005年 08月 29日 (月) 17:43 | 編集
 ファーゴ

「ファーゴ」 ★★★☆

FARGO(1996年アメリカ)
監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
キャスト:フランシス・マクドーマンド、スティーヴ・ブシェミ、ウィリアム・H・メイシー、ピーター・ストーメア、ハーヴ・プレスネル、ジョン・キャロル・リンチ、クリステン・ルドルード

コーエン兄弟の作品は好き嫌いがあると思うが、今までにも何度か書いたように映画的虚構と娯楽の世界を構築する手腕に関してはこれほど上手い監督はいないだろう。事実ベースだろうが何だろうがコーエン色に染める、一見意味がなさそうなシーンをしっかり後で効かせる構成・脚本も絶妙、実にスマートだ。オープニングで「これは事実に基づいた実話です」とでかでかとやらかすあの仰々しさなども、虚構の世界のインチキ臭さ胡散臭さを増長させようとする狙いを感じさせられる、それがまた凄くいいんだけどねw

本作の醍醐味は、サスペンスの緊迫感などよりも事件に関る平凡でちっぽけな人間たちが繰り広げるドラマにある。対照的に広大な雪原の風景が挟み込まれているのも、矮小な人間の転落劇を観る者に象徴的に印象づけるものだ。
雪と血。
気がついてみたらとんでもない大事件に発展していたという何とも皮肉な悲喜劇がのどかな田舎町の冬を彩っていく。
ブシェミとメイシーが非常にいい、コーエン作品はあまり自分は合わないらしくていつも中盤眠くなるのだが(爆)これは最後まで集中力が切れない珍しい作品だったw。
何と言ってもブシェミの死に方、最高と言うべきかやはり(爆死。

1996年アカデミー主演女優賞、脚本賞及びカンヌ映画祭監督賞受賞作品。
(2003年8月鑑賞)

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