-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「回路」
2005年 08月 24日 (水) 08:51 | 編集
回路 デラックス版 回路 デラックス版

「回路」 ★★★☆

(2000年日本)
監督:黒沢清
キャスト:加藤晴彦、麻生久美子、小雪、有坂来瞳、松尾政寿、矢部俊夫、武田真治、風吹ジュン、菅田俊、哀川翔、役所広司


ネタバレ有り
インターネットで「あなたの知らない世界」と繋がってしまうというホラーだが、序盤から半ばまではかなり謎だらけで進行しそれが怖さを助長するというパターンでストーリーが展開する。
独特の闇の表現と、エピソードが交叉することなくバラバラに重ねられていく客観的な状況描写、それが淡々と展開されることによって、観る者の興味と恐怖感を倍増させる辺り黒沢ホラー全開だ。あかずの間は何なのか、そこにいる幽霊は誰で何の因果で現れるのか、そしてなぜ見た者が死ぬのか、謎は結局映画の中では明確に語られることはない。しかし得体の知れない不条理に支配された抗えない恐怖と孤独と、すべてが消えていく終末観はこの作品の大きな魅力でもあると思う。

そして本作ではネットの世界に耽溺する人間達が陥るある種落とし穴のような世界を感じないではいられない。誰かと繋がっていてもその顔が見えないネットの中では、自分という存在も同様に曖昧で、この世界で確かに生きているというリアリティが極めて薄い。
映画はネットと現実という相対を、この世とあの世との相対と重ねて、曖昧な境界に生きる人間の危うさを映し出す。消えていく人間達の姿は他人との距離感や現実社会における生き方を見失っているようにも見える。PC画面に次々と映し出される生きているのか死んでいるのかわからない人間の影が何よりも一番不気味な存在に感じないだろうか?
また一人、二人と弱って形を失い影になって消えていく者、そして取り残される者、絶望的な「わからない」恐怖が積み重ねられ、静まり返った街の沈黙が酷く恐ろしい。

終盤誰もいなくなっていく辺りからテンポが若干悪くなり、終末観が“ノアの方舟”的に収束されるラストはやっぱり拡散し過ぎた印象が拭えない。しかしオチの評価は別れるだろうが個人的にはとても好きな映画の一つ、ホラーとしても非常に斬新だと思う。
2001年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作品、「CURE」と並んで現代的ホラーの傑作としてお薦めである。


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