-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「春夏秋冬そして春」
2005年 08月 29日 (月) 17:34 | 編集

春夏秋冬そして春

「春夏秋冬そして春」 ★★★☆

Spring, Summer, Fall, Winter... and Spring
(2003年韓国・ドイツ)
監督:キム・ギドク 
キャスト:オ・ヨンス、キム・ジョンホ、ソ・ジェギョン、キム・ヨンミン、ハ・ヨジン、キム・ジョンヨン、チ・デハン、チェ・ミン、キム・ギドク
公式サイト

悪い男」「魚と寝る女」のキム・ギドク作品。
作風は相変わらず寓話的で、作品全体が非常に静かである。
それは仏教をモチーフにしていることにもよるだろうが、観客に与えられた情報の少なさや、作品自体が一つの象徴としての体裁を取っている等の点で、やはり今までのギドク作品と共通するものがあると言えよう。

一言で言うなら仏教の教義か、たとえ話でも聞いているような抹香臭さが全篇に漂う物語だ。どうやらこの物語は1人の男の生涯と四季を重ね合わせて、仏教思想による人の世の無常観と輪廻思想が語られているらしい。幼い僧が一生背負うことになった罪は人間の抱える「業」や「煩悩」と通ずるのか。また繰り返し出てくる蛇は旧約聖書の蛇のように象徴的に見える。
船を漕ぎ女と出会い戒律を破りSEXして別れる、そういう情景の一つ一つがただのエピソードではなく、人の人生のメタファーとして効果的に用いられていることも巧妙で上手い。俯瞰で映し出される浮世離れした孤島の寺の風景や最小限の台詞によって、ギドクが描きたかったテーマがより鮮やかに浮かび上がる結果ともなっている。

映像的にも詩的な美しさを持った非常にユニークな作品だが、表現に多少オーバーな寓話的あざとさと説教臭さがあることは否めないので、映画にこのような世界を求めない人には辛い作品でもあるだろう、というか最初からこの手の作品が好きじゃなければわざわざ観ないタイプの映画ではあるかw
で、冬の曲の仰々しさだけははっきり言って引く。監督自身が張り切って登場してくれるのだがこういうあざとさはやっぱり韓国映画っぽい。芸術的な雰囲気を漂わせて格調高い作品にしたかったのか、ヨーロッパでのウケを狙って賞獲りに走ったのか、その辺はよく解らないが、折角のストイックなまでの世界観が最後の最後でやり過ぎ感があった。とりあえず次作にも期待。

【追記】
韓国映画は帰結への強引さがどの作品にもつきまとって自分は好きではない。だがその有無を言わさぬ勢いというものが時に映画には必要な部分ではあるだろう。邦画が理屈に捉われてなかなか抜け出すことができないハードルを韓国映画は割りにあっさりと超越している気もする。まぁ邦画のそんな吹っ切れなさが好きだったりもするんだけどねw
(2005年5月鑑賞)

 春夏秋冬そして春@映画生活
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