-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ノー・マンズ・ランド」
2005年 08月 29日 (月) 13:54 | 編集
 ノー・マンズ・ランド

「ノー・マンズ・ランド」 ★★★★

No Man's Land(2001年仏・伊・英・ベルギー・スロヴェニア)
監督:ダニス・タノヴィッチ
キャスト:ブランコ・ジュリッチ、レネ・ビトラヤツ、フイリプ・ショヴァゴヴイツチ、カトリン・カートリッジ、サイモン・キャロウ、ジョルジュ・シアティディス、サシャ・クレメール、セルジュ=アンリ・ヴァルック、ムスタファ・ナダレヴィッチ
公式サイト

「ノー・マンズ・ランド」とはボスニア紛争中のボスニアとセルビアの中間地帯を意味するらしい。この塹壕に取り残されてしまった敵同士の2人の兵士の奇妙な触れ合いを通して、戦争の愚かさをブラックに描く。両国への干渉を避けたい国連軍上層部、危機感もなくスクープに走るマスコミ。地雷を仕掛けられた男を巡って様々な思惑が入り乱れたエゴ丸出しの状況は悲劇を通り越して最早喜劇のようにも見える。
この作品が他の戦争映画と一線を画しているのは、多国籍軍やマスメディア抜きには語れないこの時代の戦争は半ば見せ物と化していることをきっちり描き出している点だろう。
しかしブラックなユーモアを挟みながら戦いの空しさや不毛さはこれでもかと言うほど痛烈に伝わってくる。鳥が鳴く穏やかな日差しの下で隣の国の人間を殺す、誰であろうと構わずに、それが戦争なのだ、と。
複雑化した両陣営の状況をチキとニノの会話がリアルに物語るが、それも介入者達にとっては所詮他人事でしかない。
”何の為に誰の為に戦っているのか?”
このシンプルな疑問を明確に提示し、傍観している鑑賞者である我々にとっても強烈なアンチテーゼを感じさせる作品なのである。

「傍観は加勢と同じ」
まさに痛恨の一撃と言ってもいいエンディングには誰しも言葉を失うだろう。
戦争は最低なのだ、死んだ者の哀しみは誰も償う事はできない。
長い作品ではないが、繰り返される愚行への風刺と皮肉に溢れた戦争映画の傑作だと思う、秀逸です。
2001年カンヌ映画祭脚本賞受賞及び、2002年ゴールデングローブ賞・アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
(2003年鑑賞)

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