-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「イル・ポスティーノ」
2005年 08月 29日 (月) 12:13 | 編集
 イル・ポスティーノ

「イル・ポスティーノ」 ★★★★

Il Postino(1995年イタリア・フランス)
監督:マイケル・ラドフォード
キャスト:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタ、リンダ・モレッティ、アンナ・ボナルート
   ⇒ イル・ポスティーノ@映画生活

この作品自体がまるで詩のように美しい。

そこには決して劇的な演出があるわけではないが淡々と描かれた心の交流がひたすら暖かく心地良いのだ。教養溢れ思想家でもある知的な詩人と無知で純粋なマリオとの友情は、師弟のようでもあり父子の間の触れ合いのようでもある。
詩人から与えられたものの大きさに気づいてからのマリオの行動は、大げさに言えば無知からの「覚醒」であり、人真似ではないマリオ自身の創作でもあったのだと思う。深き知性の導きに触れて、自己の中に生き甲斐とささやかなる幸福を見い出したマリオの喜びはいかばかりであったか。

脚本的に上手いと感じるのは、1950年代という時代背景がこの二人の出会いに大きな影を落としている点をさりげなく映し出していることだろう。時代の潮流によって運命的に出会い、また飲み込まれるように訪れる別れ、劇的に終幕を迎えるエンディングは非常に切なく心を打つ。
詩人の哀しみは友人を失ったことだけではなく、自らが導いたが為に彼の死を早めてしまったのではないかと自責もあったかもしれない。だがマリオにとってこの出会いはかけがえのないものであり、名も無い郵便配達夫の人生は永遠に詩人の心に刻まれたのだ。
どう生きることが幸福なのか。
人の人生について優しく温かく問いかける作品である。

若干途中の展開がスローでもたつくが、風光明媚な島の自然、海の煌めき、陽射しの輝き、ノスタルジックな映像の美しさに心を奪われない者はおそらくいないだろう。

クランク・アップの12時間後、マリオを演じたトロイージは41年の生涯を閉じたそうだが、それが本編のラストとオーバーラップする。
マッシモ・トロイージにとっても身を捧げた渾身の作品になった「イル・ポスティーノ」。まさに珠玉作と言える名品だと思う。
ラドフォード作品は「10ミニッツ・オールダー」以来だったが本当に素晴しい。是非多くの人に観て欲しい作品である。


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■サウンドトラック
イル・ポスティーノ ― オリジナル・サウンドトラック


■マイケル・ラドフォード監督作品
ヴェニスの商人10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャルBモンキー
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