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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「パッション」
2005年 08月 29日 (月) 11:59 | 編集
 パッション

「パッション」 ★★☆

PASSION(2004年アメリカ)
監督:メル・ギブソン
キャスト:ジム・カヴィーゼル、マヤ・モルゲンステルン、モニカ・ベルッチ、ロザリンダ・チェレンターノ、クラウディア・ジェリーニ、ルカ・リオネッロ、フランチェスコ・デ・ヴィート、フリスト・ジフコフ、マッティア・スブラジア、フリスト・ナーモフ・ショポフ
公式サイト

今この時代に何故キリストの処刑と復活を描かねばならないのか?
しかも辟易するほどの拷問虐待シーンが連続し人物其々の心理的描写は極めて薄い、イエスでさえも。
宗教が異なってもキリストの受難の話はおおまかに誰でも知っているだろう。もしこの作品が処刑に到るまでのイエス自身の内なる葛藤や闘いといった人間性の描写をもっと掘り下げてくれていたならば、非キリスト教の自分も人間イエスの苦悶や普遍的な人の愚かさ、「敵を愛せ」という彼の言葉の真意について否応無く考えさせられたかもしれない。
映画としてははっきり言って面白くはない。しかも決して観る者すべてに理解される事を狙って作られているわけではないと感じてしまう宗教映画だ。しかしメル・ギブソン自身にとっては、伝えられるイエスの死を完璧に忠実に映像に写し撮ることが第一目的だったのかもしれないとは思う。

結局2000年過ぎても人の戦いは終わらない、神の子を失うという事実によってさえも果たしてイエスの本意が人々に伝わったのかと考えると、それは皮肉な答えしか生まないように思う。
繰り返される人間の愚行。
今イエスの受難を考え直す意味が歴史的にあるとすればそういうことしかないだろうな。
まぁ痛い映画でした、軽い気持ちで観る映画ではないし一般の日本人にとってはこの作品に普遍性を見出すことは難しいだろう。

 パッション(2004)@映画生活
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